プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」に関する韓国航空宇宙研究所(KARI)との
協力について(報告)

平成14年1月23日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1. 報告事項

 韓国航空宇宙研究所(KARI)と宇宙開発事業団(NASDA)との間で行われている国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」に関する協力の可能性検討の状況について報告する。

2. 経緯

(1) 平成13年8月2日にNASDAがKARIを訪問し、ISS利用および宇宙飛行士訓練等に関する意見交換を行った。次回はKARIがNASDAを訪問し、「きぼう」等の施設見学と合わせてNASDAとの協力について協議することとした。
(2) 平成13年11月21日〜22日に韓国航空宇宙研究所(KARI)の衛星運用・応用センター長以下2名が筑波宇宙センターを訪問し、「きぼう」等の施設見学を行うとともに、KARIとの協力について打合せを行った。
(3) KARIの提案に基づき、今後ISS計画に関する協力の可能性の検討(フィージビリティスタディ)を開始するため、検討の枠組みに関する合意文書の調整を行うこととした。

3. 協力に関する検討の進捗状況

(1) ISS計画に関するKARI/NASDA協力の可能性検討の枠組み合意
KARI/NASDAの共同活動の可能性に関する検討の枠組みについて、KARI衛星運用・応用センター長とNASDA宇宙環境利用システム本部副本部長との間で、平成14年1月下旬に合意文書を取り交わす方向で調整を行っている。(別紙参照)
(2) 韓国におけるISS利用ワークショップ及び「きぼう」利用の需要調査
KARIは、韓国内の大学等の研究者に対して、ISS利用の可能性について紹介し、研究者の関心を高めることを目的に、平成14年春頃に韓国でワークショップ開催を計画。NASDAにも講師派遣を依頼。
KARIはこのワークショップに先立ち、韓国内の大学等の研究者を対象に、ISSの利用需要調査を行うことを計画している。

4. 今後の予定

(1) 平成14年1月下旬、韓国KARIで行われるKARI/NASDA会合にて、ISS計画における共同活動に関する可能性検討の実施に関する合意。
(2) 平成14年春頃、KARIが韓国の研究者を対象とするISS利用ワークショップを開催予定。日本から講師派遣等による参加を予定。KARIは、これに先立ち韓国内で「きぼう」 等搭載実験装置の利用需要調査を予定。



韓国航空宇宙研究所(KARI)と宇宙開発事業団(NASDA)との間の
国際宇宙ステーション計画における将来の共同活動に関する
可能性検討の実施に関する合意文書(案)の概要

1. 合意文書の位置付け

ISS計画における韓国航空宇宙研究所(KARI)と宇宙開発事業団(NASDA)(以下「両機関」という)の将来の共同活動の可能性を検討するため、その実施のための枠組みに関する合意を明確にするもの。


2. 主な内容

(1)目的
  • ISS計画における将来の共同活動の可能性に関する検討(フィージビリティスタディ)を行うための枠組み設定。
  • ISS計画全般における共同活動の検討項目には、ISSの日本の実験棟「きぼう」船外実験プラットフォームの利用及び韓国人宇宙飛行士候補者の基礎訓練の可能性等が含まれる。
(2)タスクフォースチームの設置
  • フィージビリティスタディを実施するためのタスクフォースチームを設置し、連絡窓口を指名。
  • タスクフォースは両機関のISS計画における共同活動の準備検討を行い、勧告を作成。
(3)その他
  • フィージビリティスタディの実施に必要な費用は各機関がそれぞれ負担。
  • フィージビリティスタディの結果に基づき、2002年5月を目途に共同活動の具体化に向けて最大限の努力。