プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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「つばさ」のロケットからの分離後の状況について

平成14年2月6日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1. 現状

「つばさ」(MDS-1)は、下記の通り所定の軌道に投入され、その後クリティカル・フェーズの運用をすべて正常に終了した。(表1)

遠地点高度 35696.33km (35735km)
近地点高度 500.47km (500km)
軌道傾斜角 28.502度 (28.5度)
周期 635.16分 (635分)

(  )計画値
表1 これまでの主要イベントとその確認状況
イベント 終了確認日時
(開始日時)
結 果
ロケットから分離 4日 12:32頃
正常 実測値 計画値
太陽角 6 度 (40度以下)
レート 5rpm (1.9〜6rpm)
ニューテーション 約1.0度 (5度以下)
太陽電池パネル展開 4日 13:42頃
(13:39)
正常 1056W (1029.8W以上)
(注)
スピンアップ 5日  1:23頃
(同日0:25)
正常
 5.3rpm (5±1rpm)
初期太陽補促 5日  2:33頃
(同日2:04)
正常
9.8度(10±2°)
磁力計マスト伸展 6日 1:52
(同日1:50)
正常
クリティカル・フェーズ終了 6日 6:00 ------
(注)
* 太陽電池パネル展開については、発生電力値等により正常に展開できたことを確認した。なお、他の展開確認手段であるラッチ信号(6個)のうち一つが確認できなかったが、その後、搭載モニタカメラ画像により展開が完全であることを追確認した。
* シャント(余剰電力を消費し、供給電力の安定させる装置)の温度が予測値を越えているが、機器への影響はない。状態を引き続きモニタ中。

2. 今後の予定

 2月14日までに、初期機能確認フェーズとしてミッション機器の機能確認を行い、その後定常運用段階に移行する。(表2)

表2 今後の予定(初期機能確認フェーズ終了までの詳細予定)
日時イベント
2月7日
(L+3日)
民生半導体部品実験装置(CSD)機能確認
地上用太陽電池実験装置(TSC)機能確認
2月9日
(L+5日)
半導体レコーダ実験装置(SSR)機能確認
CPV型バッテリ実験装置(CPV)機能確認
2月10日
(L+6日)
重イオン観測装置(HIT)機能確認
磁力計(MAM)機能確認
2月11日
(L+7日)
積算吸収線量計(DOS)機能確認
放射線吸収線量モニタ(SDOM)機能確認
2月12日
(L+8日)
並列計算機システム実験装置(PCS)機能確認
2月13日
(L+9日)
(衛星状態モニター等)
2月14日
(L+10日)
初期機能確認フェーズ終了