プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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微小粒子捕獲実験および材料曝露実験(MPAC&SEED実験)装置の
第1回回収について

平成14年11月29日

宇宙開発事業団

 宇宙開発事業団(NASDA)は、国際宇宙ステーション(ISS)軌道上の微小粒子環境を把握するための「微小粒子捕獲実験」と、宇宙用材料の耐宇宙環境性の向上を目指した「材料曝露実験」を、ISSのロシア・サービスモジュールを利用して、2001年10月から実施しておりますが、このたび、「微小粒子捕獲実験および材料曝露実験(MPAC&SEED実験)装置」の第1回回収を行いました。
 MPAC&SEED実験装置は、全部で3つあり、ISSのロシア・サービスモジュール(ズヴェズダ)の外壁に、2001年10月から取り付けられ、それぞれ1,2,3年、宇宙環境にさらした後回収し、地上にて、試料の分析・評価、及び地上対照試験データとの比較評価を行います。


実験概要

●微小粒子捕獲実験

 ISS軌道に存在する微小粒子(スペースデブリ*、マイクロメテオロイド*など)の存在量、大きさ、組成、衝突エネルギーなどについて評価し、微小粒子環境の把握、太陽系形成や進化の一層の理解に貢献するなど、宇宙環境モデルの最新化などに生かすための実験です。

*スペースデブリ ロケットや人工衛星などの破片、固体ロケットの燃焼生成物など。人工起源。
*メテオロイド 人工起源以外のもの(彗星、惑星など)の固体粒子。天然起源。

●材料曝露実験

 宇宙機の長寿命化、高信頼性化のために、宇宙機の曝露部に使用される様々な宇宙用材料の耐宇宙環境性の向上はとても重要です。各種の宇宙用材料(熱制御材料、固体潤滑剤など)を宇宙放射線、原子状酸素などの宇宙環境にさらし、それら材料の劣化状況、および宇宙機からのアウトガスや姿勢制御用ガスジェットのプルームなどの汚染物による汚染状況を評価し、今後の宇宙用機器などの開発に貢献するための実験です。