宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
平成14年7月11日打ち上げ予定のスペースシャトル実験ミッション(STS-107)でのラット実験におけるサンプルシェア研究テーマの選定結果について。
前述のスペースシャトル実験ミッションで米国とフランスの研究者が実施するラットの宇宙実験において、解析に使用しない臓器、組織を利用した研究テーマを国際的に公募した。限られた宇宙実験機会で得られる貴重なサンプルを有効に利用することを目的としており、これらのサンプルを利用して、宇宙環境利用研究で重要な骨量減少、筋萎縮や微小重力下での免疫系の変化などの研究を行うのものである。国際協力作業により、臓器の摘出・保存処理と選定テーマ研究者への輸送を行う。(図1参照)
公募は国際ライフサイエンス戦略会合(米国、欧州、フランス、ドイツ、カナダ、ウクライナ、日本の宇宙機関が参加)が行った。テーマの選定にあたっては、各国で評価推薦するテーマについて、本宇宙実験計画への貢献を考慮して調整の上選定するものである。我が国はスペースシャトルの第2帰還地での解剖作業を担当する予定である。
No | 研究テーマ名 | 代表研究者 |
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1 | ラット骨格筋および脊髄における遺伝子の発現・消失に対する宇宙飛行の影響 | 石原 昭彦 (京都大学) |
2 | ラットの速筋及び遅筋後肢筋の特性に及ぼす宇宙飛行の影響 | 大平 充宣 (大阪大学) |
3 | 宇宙フライトにより萎縮した骨における新規骨芽細胞抑制蛋白質オステオアクチビンの解析 | 安井 夏生 (徳島大学) |
4 | 宇宙飛行後ラット肝におけるチトクロームP450とストレス関連分子の発現解析 | 福本 学 (東北大学) |
5 | 微小重力が末梢前庭の遺伝子発現に及ぼす影響 | 宇佐美 真一 (信州大学) |
6 | 宇宙環境がラットの補酵素NAD代謝に及ぼす影響 | 柴田 克己 (滋賀県立大学) |
7 | ラット臓器における宇宙環境暴露後のp53調節遺伝子群の遺伝子発現 | 大西 武雄 (奈良県立医科大学) |
8 | 宇宙環境の造精機能への影響 | 郡 健二郎 (名古屋市立大学) |
日本 | 米国 | カナダ | 欧州 | ウクライナ | 計 | |
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応募数 | 17 | 5 | 2 | 5 | 8 | 37 |
選定数 | 8 | 3 | 2 | 2 | 0 | 15 |