プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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地球観測衛星受信アンテナのタイ国への譲渡について

平成14年11月29日

宇宙開発事業団

 宇宙開発事業団(NASDA)は、タイ地理情報・宇宙技術開発機構(GISTDA=Geo-Informatics and Space Technology Development Agency)との間で地球観測衛星データの受信、処理に関する協力プロジェクトを昭和61年から行ってきましたが、本プロジェクトは当初の目的を達成し、本年11月をもって終了します。(タイとは今後も引き続き協力関係を継続していく所存です。)
 協力プロジェクトに使用した受信アンテナ等の地上設備は、日タイの友好的な協力関係継続の象徴として、また地上設備を今後も有意義に活用するため、NASDAからGISTDAへ譲渡することになりました。

 これに伴い、タイ国標準時刻12月2日(月)午前9時、タイオリエンタルホテルにて譲渡に伴う式典を開催いたします。
 タイ側からは、かねてよりリモートセンシング技術に関心をもたれているタイ国シリントン王女を始め、科学技術環境省大臣、GISTDA長官、その他関連機関関係者が、日本側からは、駐タイ日本大使、NASDA理事長、その他関係者が出席する予定です。

GISTDA ホームページ



NASDA・GISTDA協力の経緯

昭和61年 「海洋観測衛星(MOS-1)を利用したリモートセンシング共同研究計画のための協力に関する口上書」を日本政府とタイ政府との間で締結
「MOS-1の直接受信にかかる了解覚書」を宇宙開発事業団とタイ国家研究評議会(NRCT、現GISTDAの前身)との間で締結
昭和63年 MOS-1用受信・記録・処理設備をNRCTラッカバン局内設置
平成 3年 MOS-1了解覚書にMOS-1bを追加
平成 5年 「地球資源衛星(JERS-1)を利用したリモートセンシング共同計画のための協力に関する書簡」を日本政府とタイ政府との間で締結
平成 5年 「地球資源衛星1号(JERS-1)の直接受信にかかる了解覚書」を宇宙開発事業団とNRCTの間で締結
平成 7年 MOS-1停波
平成 8年 MOS-1b停波
平成 9年 「JERS-1データ利用パイロットプロジェクトにかかる共同研究協定」を宇宙開発事業団とNRCTの間で締結
平成10年 JERS-1停波
平成12年 GISTDA発足。タイ国の宇宙技術を担当する機関として発足NRCTのリモートセンシング関連事業及びタイ国科学技術省の地理情報事業を引き継いだ
平成13年 「地球観測及び衛星応用分野の協力に係る協定」を宇宙開発事業団とGISTDAとの間で締結
平成14年 JERS-1データ利用パイロットプロジェクト終了予定
今後の予定 「地球観測及び衛星応用分野の協力に係る協定」に基づく協力関係を今後も継続していく予定

タイとの協力プロジェクトにおける成果

 協力活動は、NASDAがGISTDAに設置したアンテナ等受信設備をGISTDAスタッフが運用するかたちで行われ、NASDAの海洋観測衛星「もも1号」(MOS-1)及び地球資源衛星「ふよう1号」(JERS-1)の2つの地球観測衛星の観測データを受信してきた。
 受信データは、国内外で技術、科学分野の研究に大いに利用され、アジア地域の環境、食料、資源等に係わる多くの知見を得ることができた。また、都市計画、農業計画、水産計画などの行政分野に資する地図、土地利用、養殖分布図等も多数作成された。