プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(WSSD)
実施計画に関する宇宙開発事業団の取組み

平成14年9月18日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

会合の経緯

1992年6月、リオ・デ・ジャネイロにて国連環境開発会議(地球サミット)を開催。環境分野の国際的行動計画である「アジェンダ21」を採択。

地球サミットから10年目の2002年に計画の見直しや新たな課題について議論するため、「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(WSSD)を開催。


文部科学省、宇宙開発事業団
提案準備、準備会合への参加
外 務 省
環境ODA指針、「小泉構想」の策定
WSSD
(ヨハネスブルグ、8/26-9/4)
「実施計画」の採択

環境ODA指針の策定(外務省)

外務省は、 WSSDへの参加に際し、我が国の環境ODA指針として「持続可能な開発のための環境保全イニシアティブ(EcoISD)」を策定。
4つの重点分野は、
(1)地球温暖化対策、
(2)環境汚染対策、
(3)「水」問題への取組み、
(4)自然環境保全
この「自然環境保全」に「地球観測技術の普及への支援」が認められた。

「小泉構想」 (持続可能な開発のための日本政府の具体的行動)

小泉総理のWSSDへの出席に際し、日本政府は、わが国の取り組みとして「小泉構想」を策定。
本構想には「地球観測・地球地図の活用を通じた地球環境のモニタリングの推進」が盛り込まれた。
WSSDにおいて日本代表団は、「小泉構想」の発表とともに地球観測への支援を表明。

WSSDの結果(地球観測関連)

1. 実施計画の採択
法的拘束力はないが、国連加盟国の取り組みの指針となるもの。
国連及び国連専門機関の事業の基本方針
2. タイプ2パートナーシップの国連登録
一つの国・国際機関では達成できない実施計画の課題を達成するためのパートナーシップ。

採択された実施計画の内容

水循環の解明、災害防止の為の共同観測・研究の推進。
気候変動予測のため組織的観測を推進し、統合地球観測戦略の実施を拡大。
環境へのインパクト及び土地利用の変化を把握するための地球観測技術(地球地図を含む)の開発と幅広い利用

タイプ2パートナーシップの登録

アジア太平洋地球観測パイロットプロジェクト
NASDAから、AIT、GISTDA(タイ)、LAPAN(インドネシア)に呼びかけ、新たに結成、国連に登録。
統合地球観測戦略(IGOS)パートナーシップ

実施計画へのNASDAの取り組み

水循環の解明のための共同観測・研究の推進

AMSR-E、 ADEOS-IIによる観測・データ提供
水循環集中観測計画(CEOP)を支援
全球降水観測計画(GPM)を推進


災害防止のための共同観測・研究の推進

災害国際チャータへの参加準備
ALOSによる災害観測、データを提供


気候変動予測のため組織的観測を推進し、統合地球観測戦略の実施を拡大。

IGOS「海洋」観測に参加し、AMSR-E、ADEOS-II等の観測データを提供。
IGOS「水循環」観測戦略の策定支援


 地球観測技術の開発と幅広い利用

地球地図のため、国土地理院と協力し、ALOS観測データを提供。 
データ検索・提供システムを開発
データ利用拡大のための地球観測衛星委員会(CEOS)の取り組みに積極的に参加

CEOS、CSD等を通じた取り組み

第3回世界水フォーラム(明年3月京都)
水循環観測の報告と一層の推進のため提案。
CEOS本会合 (本年11月、フラスカティ(伊))
WSSD実施計画の提案国として、CEOSを通じたフォローアップに関し提案。
国連持続可能な開発委員会 (CSD)
CSDに参加する団体としてNASDAを国連に登録し、地球観測の貢献の実績をアピール。