理事長挨拶・定例会見
平成19年1月
平成19年1月 理事長定例記者会見 立川理事長の定例記者会見の概要をお伝えします。
日 時:平成19年1月11日(木)13:30-14:00
場 所:JAXA 東京プレゼンルーム

トピックス

2007年の展望を述べたいと思います。JAXA発足から4年目に入りました。中期計画の最後の年にあたり、気を引き締めて達成に努力をしてまいります。

・今年の主要事業
・中期計画策定
・当面のトピック

今年の主要事業

具体的には色々な事業がありますが、

  • まず、ロケットについては2月の打ち上げが、JAXAが主体的に行う最後のものになります。これ以降は民間移管され、JAXAは打ち上げの安全確認の業務を担っていきます。また、ロケットに関する業務としては、LNGの開発のほか、小型ロケットの研究を行います。
  • 衛星については、今年は「SELENE」の打ち上げを、2007年度としては「WINDS」の打ち上げを予定しています。また、これまで打ち上げた衛星の用途を開拓し、利用を拡大していきたいと思います。探査に関しては、日本は「はやぶさ」を行ったところですが、世界は月探査に関心を有していますので、月探査が目玉になるでしょう。中国のほうが先に打ち上げるのではないかという情報もありますが、日本としては夏期に打ち上げる計画であり、着実に準備を進めているところです。
  • 国際宇宙ステーションについては、JEMを打ち上げる年になりました。全部で3回に分けて打ち上げ、初号機は年内に打ち上げます。JEMは、打ち上げが目的ではなく、日本の実験施設を宇宙に設置し、そこで科学実験を行うことが本来の目的です。関係者には長らくお待たせしました。ようやく多様な科学実験が行うことができるようになりますので、その推進に力を入れていきます。

関連リンク
SELENEプロジェクト
超高速インターネット衛星「WINDS」
宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター

中期計画策定

また、第1期の中期計画の終了に伴い、次の中期計画策定の年となりました。宇宙開発委員会の計画部会で議論がされており、我々はそこへ提言をしています。宇宙開発委員会が次の長期計画を作成し、それをもとに文部科学大臣等が中期目標を示し、JAXAはそれに基づいて中期計画を作ります。今回の中期目標では、基本はあまり変わらず、安心・安全な社会の実現が中心になると考えています。新しく追加される可能性があるのは、産業化の推進という点ではないでしょうか。宇宙科学の推進や、国際協力の推進という点については、従来どおり変わるところがないでしょう。中期計画の策定に向けて、我々としては一昨年長期ビジョンを作成し、我々の展望を示しています。できるだけ中期目標に取り入れて頂けるよう、働きかけていきたいと思います。新年にあたっての私の見解はJAXAのWEBにも載せていますので、そちらにも目を留めて頂きたいと思います。


当面のトピック

  • 昨年暮れ「きく8号」が打ち上げられ、アンテナ展開が終わりました。1月9日には静止化し、これから搭載機器の初期機能確認に入る予定です。4月頃には利用実験が開始できる見込みで、皆様方のご支援に感謝します。
  • 1月16日には、内之浦からS-310観測用ロケットの打ち上げを行います。今回は電離層の高温領域の測定を行います。こうした地道な観測ロケットの打ち上げもあるという意味でご紹介しておきます。
  • 1月22日・23日に宇宙機関長会議があります。今年から来年にかけての国際宇宙ステーション長期滞在のクルーの問題や、打ち上げの詳細な日程の調整があるのではないかと期待しています。それによって日本人宇宙飛行士がどのように搭乗するかも決まるでしょう。JEMの組み立て作業に日本人がどのように関わっていくかも話題になると思います。

関連リンク
特設サイト きく8号/H-IIA11号機打ち上げへ!
宇宙科学研究本部