1月16日、観測ロケットS-310の打ち上げが成功しました。電離層における新しい現象の研究のために大学と共同で打ち上げたロケットです。観測もうまくできたようです。このような協調的に打ち上げる観測用のロケットも必要です。成果については専門家に聞いて頂きたいと思います。
1月23日に、パリで国際宇宙ステーション(ISS)に係る宇宙機関長会議(HOA)が行われました。今回の主要な議題は、むこう1年間のISS組立てに係るスペースシャトルの運航スケジュールを確定することです。今年関係するのは、ヨーロッパの「コロンバス」実験棟と日本の「きぼう」実験棟(JEM)です。日本のJEMの打上げは今年の12月と来年の2月を予定しています。スペースシャトルが定期的に打ち上がるかどうか、今後の成り行きについてはいろいろな状況が生じえます。打上げの頻度も多いため、余裕をみなければならないということもあります。時間調整があるかもしれません。
第1回目の「きぼう」打ち上げクルーが最終決定しました。土井宇宙飛行士については内定が出ていましたが、他のクルーも決定しました。今後、順次「きぼう」に関係するクルーや日本人の長期滞在クルーも決まってくるでしょう。その都度発表します。
1月30日、残念なことに「きく8号」の不具合が発生しました。情報通信研究機構(NICT)の作った部分の電源が入りません。現在、合同チームを作って原因究明にあたっており、対策も検討しています。
ルナーA(LUNAR-A)計画についてですが、計画中止に伴い日本の月探査計画中止という誤解が出ました。これは遺憾なことであります。セレーネ(SELENE)とLUNAR-Aを混同しているようで、海外で日本は月探査を中止したのかと聞かれ、心外でした。
LUNAR-Aは本来1997年頃に打ち上げられる予定だったのですが、延期されるうちに設計寿命が過ぎてしまいました。衛星にするには相当手を入れなければならないので、今回見直しによって、衛星は中止しましたが、ペネトレータについては速やかに完成させることにしています。
2月7日に、宇宙開発委員会に評価を頂いたところです。ペネトレータ技術は日本の衛星で使うことを第一に考えていますが、他の国でも使う可能性があれば、提供することはやぶさかではありません。それから、衛星についても捨てるわけではありません。きちんとその使い道を考えていく、衛星とはしないと決めたものです。
先日、「日本画は宇宙を描く」というコンテストを行いました。入選作品をジャクサアイ(JAXA i)で展示をしていますので、是非見にきてください。
今後の予定としては、2月15日にH-IIA 12号機の打ち上げがあります。今のところ準備は順調です。天候が良ければ、このまま順調に打ち上げられるでしょう。
宇宙探査シンポジウムが京都で開かれます。探査ワークショップも同時に開催します。前回12月のヒューストンに続き、3月に京都で行うことになりました。せっかくシンポジウムを開きますので、NASAのグリフィン長官をはじめ、ESAのドーダン長官、イギリスのウィリアムズ長官に声をかけ、お越し頂けることになりました。3人にはシンポジウムとワークショップのつなぎ目の3月7日のところで、お話を頂くことになりました。是非皆さんにもお越し頂ければ幸いです。
タウンミーティングは本年度残すところ2回になりました。3月4日に愛知県・武豊町で、17日に広島県・呉市で行う予定です。