4月から新たな年度が始まりました。第一期中期計画の最終年度になります。新入社員も51名入り、人事異動も行い、新しい体制でスタートを切りました。第一期中期計画に掲げられた目標を最大限達成できるように努力する所存です。今年度は月周回衛星「SELENE」や、超高速インターネット衛星「WINDS」の打上げがあります。さらに、待望の「きぼう」日本実験棟の打上げが2回予定されております。このようなイベントを行うと共に、さらなる経営改革を行って、効率化を図りたいと思います。今年度は第一期中期計画の最終年度であるために、独立行政法人の評価が行われます。宇宙開発委員会も次期の宇宙開発に関する長期的な計画を作業中であり、それに基づいて、文部科学大臣の第二期中期目標が出ると思います。我々はそれを受けて、第二期中期計画の策定作業を行うことになろうかと思います。今年は新たなる発想で対応をしていきたいと思っております。
「きぼう」日本実験棟船内保管室のアメリカへの輸送が3月13日に終わりました。3月23日には「きぼう」日本実験棟打上げ2便目(1J)に、星出彰彦宇宙飛行士が決定致しました。これで、第1便の船内保管室のスペースシャトルフライトには土井宇宙飛行士が、第2便の船内実験室のスペースシャトルフライトには星出宇宙飛行士が搭乗し、若田宇宙飛行士が長期滞在をして第3便の曝露部の組み立て作業をすることになりました。これで日本の打上げに関する体制が出来上がりました。19年度からは「きぼう」の運用業務について民間移管をすることになり、JAMSS(有人宇宙システム株式会社)に決定しております。さらに4月1日からは宇宙基幹システム本部から独立して、有人宇宙環境利用プログラムが新たに設けられました。組織の階層を低くして決断が速やかに行われるよう、責任体制の明確化を図るために設置致しました。
3月にロボティクスのシンポジウムを行いました。従来の宇宙関係とは違う方々にも参加を頂き、今後の惑星探査に必要なロボティクスについて、みんなで盛り上げていこうという話になりました。JAXAとしては、宇宙ロボットフォーラムを立ち上げて、会員を募集しております。また、月周回衛星「SELENE」の「月に願いを」キャンペーンでは、合計41万名の応募が集まりました。今度は月周回衛星「SELENE」に愛称をつけて頂こうということで、4月11日から愛称募集を始めました。約1ヶ月かけて行います。一番多いものから愛称を選びたいと思いますが、登録商標の関係もありますので、数だけでは決められないかもしれませんが、国民の皆様に広く関心を持って頂きたい。4月1日には、月・惑星探査推進グループを独立設置して、今後の宇宙探査に向けてスタートを切りました。世界の中で探査チームを専任組織として保有しているのは、アメリカ、ヨーロッパ、日本くらいではないでしょうか。将来的には宇宙探査センターとして育てていきたいと思います。