理事長挨拶・定例会見

平成21年1月
理事長定例記者会見 立川理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします。
日時:2009年1月15日(木) 13:30〜13:55
場所:東京事務所プレゼンテーションルーム
司会:広報部長 舘 和夫

トピックス
・温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)について
・「きぼう」日本実験棟関係について
・宇宙ステーション補給機(HTV)について
・宇宙飛行士関係について
・平成21年度予算案について
・今後のプロジェクトについて

新年にあたりましてご挨拶を申し上げます。今年はJAXAにとっても、様々な行事が予定され、とても忙しい1年になると思っています。

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)について

1月21日に「いぶき」の打ち上げが予定されており、地球温暖化問題への取り組みの第一歩として大変重要であると考えています。2月23日には米国(NASA)の炭酸ガス観測衛星(OCO)が打ち上げ予定であり、この2基がそれぞれ世界中の二酸化炭素分布を宇宙から計測しようという予定です。

(「いぶき」は、1月21日に打ち上げが予定されていましたが、天候の影響で1月23日に再設定され、打ち上げは成功しました。)


関連リンク

「きぼう」日本実験棟関係について

日本の実験棟「きぼう」の曝露部(船外実験プラットフォーム、船外パレット)の打ち上げを5月に予定しています。これを打ち上げることにより「きぼう」が完成します。曝露部は他の国際宇宙ステーション(ISS)の構成要素には無い特異な施設で、宇宙科学の進展に貢献できるのではないかと思います。特に曝露部を使っての生命科学分野においての実験に期待しているところであります。


関連リンク

宇宙ステーション補給機(HTV)について

9月にはHTV初号機打ち上げがあります。初号機は技術実証機で、着実に開発を進めているところであります。これによって、国際約束でもあるISSへの物資輸送の一端を日本も担うことになります。


関連リンク

宇宙飛行士関係について

今年は、2人の宇宙飛行士が宇宙へ行って長期滞在をする予定であります。2月12日に、若田宇宙飛行士が滞在予定で約3.5カ月、また、12月頃には野口飛行士が約6ヶ月ということで長期滞在を予定しております。


関連リンク

平成21年度予算案について

平成21年度予算案が決まりました。国会審議を経て4月1日から執行できることを期待しているところです。おかげさまでJAXAの予算は約1,925億円です。これは、前年度比2.6%増となります。ここ4年間は連続してアップしており、また、ここ数年の2%アップのところが2.6%アップとなったのは、宇宙基本法が成立した状況によるのではないかと思います。我々としては、この予算を有効に活用して日本の宇宙活動を積極的に進めていきたいと考えています。これに基づいて新たなプロジェクトとして2つ認められております。一つが、陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)で研究開発に着手して、5年後をめどに打ち上げを考えたいと思います。二つめがX線天文衛星(ASTRO-H)で、日本の強みを発揮できるように焦点を絞った計画になります。


今後のプロジェクトについて

おかげさまで現在開発中の衛星が多く、利用衛星分野では、環境関係や測位衛星、あとは、環境関係でも衛星だけ作ってヨーロッパに打ち上げてもらう、Earth CARE(アースケア、雲エアロゾル放射ミッション)というようなものがあります。宇宙科学分野では、金星探査機(PLANET-C)、電波天文衛星(ASTRO-G)、水星探査計画(BepiColombo)等も開発中であります。
タイムリーに打ち上げが可能な小型科学衛星にも挑戦したいということで、第1号機のプロジェクトチームが発足しました。今後、小型科学衛星で臨機応変に打ち上げができるようにしていきたいと考えているところです。
探査関係が遅れておりますが、探査に必要となるソーラーセイルの実証衛星は、PLANET-Cと一緒に打ち上げますし、それ以降の計画、「かぐや2」、「はやぶさ2」がなかなか決まらず四苦八苦しておりますが、是非、探査関係も着実に後継機を用意してやっていきたいと思っているところです。

今年は開発中のプロジェクトやイベントも色々あるということで宜しくお願いいたします。以上、新年にあたりましての挨拶です。


関連リンク