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初めて日本で開催された「第18回世界宇宙飛行士会議」が、無事終了しました。
日本に駆けつけてくれた多くの先輩宇宙飛行士のみなさん、ご参加いただいた一般の方々やスピーカーとなっていただいたみなさん、イベントを支えてくれたスタッフやスポンサーのみなさん、会議の様子を伝えてくれた報道陣のみなさんに、心からお礼を申し上げます。
この会議は、アメリカのラッセル・シュワイカート氏と、旧ソ連のアレクセイ・レオノフ氏らとの出会いから生まれた「宇宙探検家協会」が主催しています。会議は協会の主たる活動であり、第1回のフランス会議(1985年)以降、徐々に参加国・参加宇宙飛行士の数を増やし、現在に至っています。
会期を通じ私自身印象に残ったことのひとつが、旧交を温める楽しげな先輩たちの表情でした。報道を通じてご覧になった方もあると思いますが、国籍を問わず宇宙飛行士が交流を深めるための集まりだという印象を持たれたかもしれません。しかし、米ソ対立の歴史的経緯を振り返ってみればそれはそれで十分意味のあることでしょう。1983年に当時のレーガン政権が発表した、宇宙空間でミサイルを迎撃する「SDI構想(スターウォーズ構想)」が、実は会の発足の大きなきっかけとなっています。「宇宙が戦場にされてしまう」という危機感が、この会議を生んだと言えるからです。
ちょうど会期中には「中国が有人飛行に成功」という大きなニュースも飛び込んできました。会議としてのお祝いのコメントも出しましたし、みな口々に「来年は来てもらわないとね」と、宇宙探検の仲間が増えたことを心から喜んでいました。私もぜひ、国家間の対立や威信をかけた競争とは違う次元で、中国の宇宙飛行士の参加が実現してほしいと思っています。
しかし、宇宙飛行経験者に与えられた地上でのミッションは、単に集まって交流するというだけにとどまりません。宇宙開発の支援や環境意識の増進などに宇宙飛行士としてどんな貢献ができるかを探り、それを実行に移す――。これは所属機関や国を超え、人類全体から付託されたミッションではないかとさえ思うのです。 |
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