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この2月1日で、7名の尊い命を失ったコロンビア号の事故から1年が経ちました。とても厳しい1年でした。今もまだ大切な仲間を失った悲しみは消えませんが、彼らのためにも安全にスペースシャトルの飛行を再開することが私たちの使命だと信じ、今年の9月の打ち上げを目標にみんなが一丸となって取り組んでいます。
昨年の8月にアメリカのスペースシャトル「コロンビア事故調査委員会」が事故調査報告書を公表し、その中で、NASAは、安全にシャトルの飛行を再開させるための技術的問題だけでなく、組織やその習慣・文化といった部分に至る幅広い分野にわたって厳しい指摘を受けました。その厳しい勧告を宇宙飛行士を含めてみんなが真摯な気持ちで受け止め、その勧告に基づいて一つ一つ問題を解決しながら、飛行再開を目指しているというのが現状です。
事故調査報告書が出した勧告にそってNASAがきちんと対策を講じているかどうかは、NASA外部に設置された「Return to Flight Task Force」チームが第三者的立場から監督しています。
シャトル飛行再開に向けた一連の作業の中で、NASAジョンソン宇宙センターでは、シャトル熱防護システムの損傷検査システムや損傷が発見された場合の船外活動による機体の修理技術開発も行われていますが、私はNASA宇宙飛行士室の代表として、シャトルの熱防護システムを軌道上(宇宙)で検査するブームの開発支援を担当しています。
コロンビア号事故の直接的な原因は、打ち上げ後に外部燃料タンクから分離した断熱材が左翼前縁の強化炭素複合材(RCC)パネルに衝突し、き裂を生じたことです。再突入の際、その裂け目から超高温の空気が前縁の断熱材を突き抜け、翼の構造を除々に溶解させ、空中分解を引き起こしました。
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