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 先月14日、ブッシュ大統領は、米国の新たな有人宇宙開発のビジョンを発表し、月、火星有人宇宙飛行実現に向けた指針を明らかにしました。NASA宇宙飛行士室のみんなも、コロンビア号事故の後、精神的にも厳しい1年を過ごしてきたこともあり、この新たに発表された挑戦目標に向け、活気が蘇ってきています。シャトルの安全な飛行再開と国際宇宙ステーション(ISS)の建設完了が、その先の月、火星有人ミッションの具体的な展開には不可欠です。
建設中の国際宇宙ステーション  現在、シャトル飛行再開に向けた仕事が私の業務の大部分を占めていますが、NASAでのロボットアームの教官や、ミッションスペシャリストとしての訓練(シャトルや国際宇宙ステーション・システム、船外活動、ロシア語、航空機操縦訓練など)も継続しており、日本や米国での広報活動などにも従事しながら、次の宇宙飛行を目指して仕事を続けています。
 シャトル飛行再開第一号のSTS-114ミッションでは野口宇宙飛行士が搭乗しISSの建設を行いますが、彼の飛行が安全に、一日も早く実現するために、日本の宇宙飛行士として支援して行きたいと思います。





若田 光一(わかたこういち)
JAXA宇宙基幹システム本部 有人宇宙技術部 宇宙飛行士 1963年、埼玉県大宮市(現在:さいたま市)生まれ。 1987年3月、九州大学工学部航空工学科卒業。1989年3月、同大学大学院工学研究科応用力学専攻修士課程修了。1989年4月、日本航空(株)入社。整備訓練部配属。同7月、成田整備工場点検整備部に所属。1991年7月には、技術部システム技術室機体技術グループに転属し、機体構造技術を担当する。

1992年4月28日には、宇宙ステーション/「きぼう」日本実験棟の組み立て・運用に備え、NASDA(現JAXA)が募集していたミッションスペシャリスト(MS)候補に選ばれる。同年7月4日、米国航空宇宙局(NASA)が実施するMS・パイロット候補者訓練用の第14期宇宙飛行士候補者養成コース参加のため渡米。同年8月上記訓練コースに参加。一年間の訓練を経た後、翌年1993年の8月3日、NASAよりMSとして認定された。

その後ミッションに任命されるまでの間、スペースシャトルのシステム運用訓練(飛行模擬訓練/船外活動訓練/ロボットアーム訓練, T-38ジェット機訓練等に従事した。1996年1月にSTS-72に日本人初のMSとして搭乗。2000年10月には、ISS組み立てミッションであるSTS-92にMSとして搭乗した。

現在は、NASAの宇宙飛行士室において船外活動セクション及び、ロボティックス部門に所属し、スペースシャトル飛行再開に向けた技術開発業務に携わる一方、ロボティックス教官宇宙飛行士業務も担当している。

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