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JAXA(2004年11月に立川理事長就任)とNASA(2005年の4月にグリフィン長官就任)は共に新しいリーダーを迎えましたが、どのような印象をお持ちですか? |
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新体制になることで、運営体制と技術体制を新しい視点から見つめ直すことができます。2人とも技術畑の出身で、技術面に精通したリーダーの誕生となりました。工学プログラムを運営してきた経験があり、民間での経験もある。それが非常に重要だと思います。両者には経営組織をスリム化する方法を検討していただき、従来よりも組織が効率的に行動し、機能するように図っていただきたいと思っています。宇宙ミッションを行うには、規律、能力、効率が必要です。国民の血税を使っているわけですから、最善を尽くさなければなりませんし、どちらもそのことは自覚していることでしょう。きっと、組織の効率は著しく向上するはずです。その結果、これまで以上の成果が得られるのではないでしょうか。
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今後、日本とアメリカはどのように協力していけばよいと思われますか? |
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これまでも、日米は宇宙関連のプロジェクトで協力してきましたが、今後も多くの共同プロジェクトが行われると思います。NASAとJAXAだけではなく、アメリカの民間企業が日本用の商業通信衛星を作っており、両者の関係の重要な一端を担っています。
スペースシャトル飛行再開における日本人宇宙飛行士の参加、技術開発を共有する機会などを通じて、両国は宇宙で重要なパートナーとなっていくことでしょう。私の場合、特に、日米両国の民間企業が月への飛行再開に向けて協力する機会を見いだしてくれることを願っています。
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今後のJAXAの活動についてアドバイスがあればお願いします。 |
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「将来、日本はどうすべきか」という、差し出がましいアドバイスをするつもりはありません。ただ一つ言えることは、“人間社会の宇宙進出”を積極的に進めていかなければならないということです。これは、誰もが思っていることでしょう。地上での人間社会を改善するために宇宙を活用し、宇宙進出をいち早く実現させるために、私たちは全力を尽くす必要があります。また、できるだけ早く宇宙に進出し、月へ戻るべきだと思っています。
他の宇宙や月に興味を持っている国同様、日本も宇宙プログラムへの参加計画を立て、他国との協力関係を構築するべきでしょう。ただし、数カ国の能力を結集させることで効率的に作業を行うことが可能となりますが、宇宙でプロジェクトを成功させるためには、統制がとれてしっかりとした運営体制を作る必要があります。共同ミッションは素晴らしい価値のあるものですが、成功させるためには、非常に厳しい環境下で安全かつ効率的に機能する質の高い運営体制をしっかり整えなければならない――“運営体制”こそが重要であるということを参加者がすべて理解した上で、協力関係を正しい方法で構築してほしいと思っています。
宇宙は、国家にとって名誉ある場所です。宇宙プログラムは、国家の幸福と名声にとって重要なものとなっていますから、これからも多くの国がかかわることになるでしょう。新たに宇宙開発に取り組もうとしている国もたくさんあると思います。
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