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Q.ESAでは教育プログラムをどのように考えていますか?

 私は、世界の宇宙機関が担う教育への役割はとても重要だと考えています。それは、単に宇宙機関が社会に対して啓蒙する責任を負っているという意味だけではありません。宇宙機関が持っている設備を活用すれば、子供たちにもっと科学的興味を啓発することができると思います。
 例えば、試験用に作ったミニ衛星やミニロケット、微小重力実験飛行、シミュレーション用のコンピュータなどを子供や学生が自由に使えるようにすれば、宇宙に対して興味をもっと抱くようになると思います。
 近年、残念なことに、先進国では科学や技術に興味をもつ子供たちが減っています。これは、深刻な問題です。今後、宇宙開発を発展させるためには若い科学者や技術者の力が必要です。そのために各国の宇宙機関は、若い世代に対して科学や技術に興味を持たせるようにするという重要な義務があるのです。



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Q.ESAとJAXAの協力関係は今後どうなると思われますか?

 宇宙開発は地球規模のものです。宇宙や宇宙利用に国の利益を考えてはならないのです。なぜなら衛星は国境を越えて活動しています。また、現在、私たちが憂慮しなくてはいけない環境や安全の問題は地球規模で考えなくてはいけません。ですから、宇宙開発は、国際協力を基本に進めていくべきです。
 ESAは、欧州15カ国が宇宙関連の技術やシステムを開発するために、互いの資産を持ち寄ってできた機関であることから、ESA自体が国際協調の一つの例であるといえます。欧州内での協力関係から始まり、非欧州のパートナーも含め、ESAはこれまでに数々の協力関係を築いてきました。現在はアメリカ、ロシア、中国、インドのほか、日本とも密接な協力関係にあります。JAXA設立前には、NASDA、ISAS、NALと個々に協力関係を築いてきましたが、今回JAXAが設立したことで、より一体となった力強い協力関係を構築するが可能になり、ESAとJAXAの連携による新たな時代の幕開けに期待しています。

[ インタビュー収録:2003.10.31 ]



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