「きぼう」日本実験棟の実物大モデル(スペースドーム)
1/20スケールのロケットモデル(スペースドーム)
筑波宇宙センターでの広報活動の軸となるのは何と言っても展示館、スペースドームです。そして企画展示を行っているプラネットキューブにも皆さんが何度も足を運んでくれるよう、新しい企画を考えていきたいと思います。
また、来場された方の目線で何が必要かを考えて、展示に改良を加えていければと思います。例えば、小さいお子さんと一緒に展示館に来られたときに、親御さんがゆっくり展示を見たくても、子どもが飽きてしまって帰らざるを得ないという意見をいただいたことがありました。将来的に小さい子どもたちが安全に遊べるようなスペースをつくり、その間親御さんがゆっくり展示館をまわれるようになれば、安心してお子さんを連れてきていただけるようになるかもしれません。このような視点で、来場された方にとって居心地の良い場所をつくっていきたいと思います。 Q. 筑波宇宙センターは地元の方とどのような関わりを持っていきたいですか? 来場者の多くが茨城県内及び近隣の都県からの来訪者ですので、何度も来られている方も多いのではないかと思います。皆さんに何度も訪れていただけるよう、いろいろなご意見を伺って改善の手掛かりとさせていただければと思います。また、筑波宇宙センターがある筑波研究学園都市にはさまざまな研究機関や学校があります。そちらの方々とも交流を深めて連携した企画を行うなど、当センター開設から40年を迎える来年に向けて、さらに魅力を高めていきたいと思います。
筑波宇宙センターで働く職員は、日本の宇宙開発の中核を担っているという自負を持っていると思いますが、引き続きそのような責任感を持ち続け、人工衛星、ロケット及び有人宇宙活動などの先端的な研究開発を行う場所でありたいと思います。未知の領域である宇宙に携わり、国民生活に還元できるような科学的・工学的な成果をソフトパワーとして創出し続け、そのような仕事をしたいと思う人が集まってくる、求心力のあるセンターにしたいと思います。そして、ここで働く人たちが十分に力を発揮できるような環境づくりをしていきたいと思います。
また展示館を軸とした広報活動を通して、宇宙についての情報発信力を高めるのも当センターの重要な役割の1つです。筑波宇宙センターに来られた方が「宇宙や宇宙開発のことを理解できて興味をかき立てられた」と思えるようにしていきたいと思います。
川田恭裕(かわだやすひろ)
JAXA筑波宇宙センター 所長
1978年に宇宙開発事業団(現JAXA)に入社し、H-Iロケットの誘導制御系や技術試験衛星VI型「きく6号」など人工衛星の研究開発に携わる。広報部、安全・信頼性推進部等を経て、2009年より現職。