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「プラネットC」は、ハレー彗星を観測したプラネットA(すいせい)、火星を目指しながらも、目的を遂げられなかったプラネットB(のぞみ)に続く3機目のJAXA惑星探査機です。2010年に打ち上げられ、太陽系を半周した後、年内に金星に到着し、金星をめぐる軌道に入ります。ミューゼスC(はやぶさ)でJAXAが習得した惑星間航行の成果が生かされます。 「プラネットC」は金星の厚い雲の下に隠された大気の様子を調べます。紫外線から可視光、赤外線にいたる5台のカメラを積んでいて、それぞれのカメラが異なる高度の雲の様子を捉えます。赤外線では一番表層の雲を透かして、もっと下の雲の様子まで見えるのです。このカメラで「プラネットC」は2時間に1枚、色々な波長で写真を撮ります。それらの写真を組み合わせると3次元的な雲の分布がわかりますし、また、丸一日のデータを組み合わせて動画のようにしてみれば、各層の雲の動きがわかります。データを蓄積して統計的な処理をすることにより、金星の大気が物理的にどのような力によって動かされているかを調べることが出来るのです。 世界的に見ると金星は忘れられた星でした。アメリカは現在主に火星探査に力を入れ、かつて多くの探査機を金星に送り込んだソビエト連邦も今は消滅してしまいました。それでも、ヨーロッパは日本の「プラネットC」計画に勇気を得て、ヴィーナスエクスプレス(金星急行)という探査機を計画し、大変短い開発期間で打ち上げることに成功しました。うまくいけば2006年の4月からデータを地球に送り返してきます。 日本とヨーロッパ、アメリカの惑星気象学研究者は大変仲が良いので、お互いのデータを比べて、より多くの成果を出そうとしています。その中には、地球の温暖化のプロセス理解に役立つデータも入っているでしょう。はやく日本も世界の研究者の役に立つデータを取得して世界に貢献したい。そのような気持ちでミッションを進めています。 関連ページ >> ![]()
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