普段のロケットの打ち上げはぶっ放したらどこかへ行ってしまうので、ロケットが上から降りてくるのはとても変な感じがします。飛行機のように何度でも繰り返し使えるロケットができたら、宇宙へ出かけたり荷物を運んだりする世界が一変すると言われています。大きな発電衛星を軌道上に浮かべてエネルギー問題と地球環境問題をいっぺんに解決しようとか、一般の人が切符を買って宇宙へ行こうとかいう世界になればいいなとみんなが思っていますが、なかなかそうなっていきません。まずはできるところから始めよう、というのがこの「再使用ロケット実験機」の研究プログラムです。
今のところはほんの何10メートルの所をうろうろ飛んで降りるだけですが、今までの一回しか使わないロケットに比べて、繰り返し飛ばすロケットはどう設計したり運用したらいいのか勉強しながら実験を続けています。もちろんこのようなロケットで軌道まで行くには、もっと機体を軽くしたりエンジンの性能を上げたりと多くの研究課題がありますが、一発で捨ててしまうのでなく、繰り返し飛ばせる実験環境をうまく使って、いろいろな研究の成果を飛ばして試してみる実験の場は、これまでのロケットの仕事の仕方とはずいぶん違います。
ものを飛ばすことが好きなこの研究チームは、とっても新鮮で楽しく仕事をしています。スペースシャトルがいろいろな困難に遭遇して「再使用」は難しい、と言うことになっていますが、こういう時こそ「再使用」が役に立つんだということが世の中に認められるような、未来に向けた活動をがんばってやらなければと思います。次の目標は、100キロメートル以上の高度への弾道飛行をして打ち上げた場所に帰ってきて簡単に繰り返しができるシステムへと発展させて、観測ロケットの代わりにできればいいなと考えています。ご支援よろしくお願いします。

信頼度定量化エンジン設計の検証 |

離着陸実験の準備をする研究スタッフ |
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