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STS-114 帰還記者会見報告「明日にも、国際宇宙ステーションに戻りたい」野口聡一



エドワーズ空軍基地に着陸するディスカバリー号 無事帰還したディスカバリー号のクルーたち 着陸の様子(ムービー)

野口総一宇宙飛行士 会見写真

記者会見ダイジェストムービー
野口聡一宇宙飛行士

今回、このような素晴らしいミッションに参加することができ、大変光栄に思っています。また、素晴らしいクルーと任務に恵まれ、新人飛行士にとってこれ以上望むものはありません。このような優秀な人材が揃ったクルーの一員として日本から参加し、スペースシャトルで重要な任務を遂行できて、本当に恵まれた機会を得たんだと思います。将来、ほかの外国の宇宙飛行士も、このような素晴らしいミッションに参加できることを願っています。


ディスカバリー号 写真大気圏再突入のときは、確かに、コロンビア号の惨事が心にありました。ミッション中、追悼セレモニーも行いましたし、フライトデッキには、コロンビア号のクルーの写真も置いていました。しかし、再突入の際には、自分達の成すべき仕事に集中し、着陸に至るまでの一瞬一瞬を楽しむようにも努めましたので、カリフォルニアに向けての飛行は喜びで一杯でした。

一番印象的だったのは、3回の船外活動です。3回目のときに、ロビンソン宇宙飛行士がギャップフィラーの修理でオービターの裏側に回りこんだとき、私は彼のサポートとスポッターの役でトランスに入っていましたが、その歴史的な船外活動を一番いい席で見られたことがとても印象に残っています。
一度、国際宇宙ステーションに長期滞在しているクルーと一緒に食事をする機会がありました。私はいろいろなものを持って行っていまして、持ち込んだカレーライスやラーメン、ようかん、チョコレートなどを食べて、9人で楽しく食事をしたのが、忙しいミッションの中でほっと一息ついた時間で、とてもいい思い出になりました。

今は、明日にでも国際ステーションに戻りたいくらいの心境です。スペースシャトルの発射から着陸まで、全ての瞬間を楽しむことができ、本当に幸せです。




野口総一宇宙飛行士 会見写真

記者会見ダイジェストムービー
アイリーン・コリンズ船長

地球に無事帰還することができ、本当に嬉しく思っています。ミッションもとても意義のあるものでした。帰還は予定より2日ほど遅れましたが、その時間を有効に使うことができました。
私個人は、まだ100%の体調ではありません。宇宙での長期滞在後、地球に戻ってくる間に体験した重力はとても激しいもので、体が重力のある環境に慣れるまで多少時間がかかるようです。

日本から参加した野口聡一宇宙飛行士は、今回が初飛行でした。野口宇宙飛行士のハイライトは3回にわたる船外活動でしょう。新人宇宙飛行士とは思えないほどの素晴らしい仕事ぶりで、ミッション第1日目から飛行の最後の瞬間まで、さまざまな任務をこなしてくれました。


地上スタッフ 写真今日は私たちにとって、とても喜ばしい日となりました。しかし同時に、コロンビア号のクルーとその家族のことを思うと、正直、辛い気持ちが混じり合った複雑な心境でもあります。
コロンビア号のクルーは、ミッションの意義を信じていました。ミッションが継続されていくことはとても大切です。私たちは彼らのミッションを引き継いだのです。
コロンビア号クルーの家族の皆さんは、今日という日を複雑な気持ちですごされていることと思います。しかし今日、コロンビア号のミッションに終止符が打たれました。
宇宙探査、つまり未知のものを知ることによって、アメリカのみならず世界中の人々の生活をより良いものとするために、今回のミッションは非常に大切なものでした。コロンビア号のクルーのご家族には、私がそのことについて述べる大切さをご理解いただきたいと思います。

宇宙探査はとても価値のあることだと私たちは信じています。今現在、多くの宇宙飛行士がフライトを心待ちにしています。宇宙飛行士は挑戦することを好み、宇宙でのミッション遂行を待ち望んでいます。過去2度の惨事から、スペースシャトル計画に異議を唱える人もいますが、私たちは心からこのミッションの重要性を信じており、これからも継続していきます。そのために、皆さんのご支援を願ってやみません。もちろん、皆さんのご意見は丁重におうかがいします。私たちの意見にもぜひ耳を傾けてください。
宇宙探査は人類にとって素晴らしいものです。世界中の人々とこの体験を分ち合うために、数週間後には各地を巡る予定です。
今日は皆さん、お越しいただきありがとうございました。