この特集では、種子島宇宙センターを中心に、打上げを陰で支える打上げ管制隊の皆さんの「生の声」を現場からお届けします。
施設設備班 山崎 敏史(鹿児島宇宙センター射場運用課)

私が担当している射点系(電気系係)では、主に発射管制室と呼ばれる場所からロケットの状態(各部の圧力、温度、バルブ開度、バッテリ充電等)を遠隔にて操作/把握する通信設備やデータ処理設備等を維持管理しています。これらの設備が機能しなければロケットを打ち上げることはもちろん、「かぐや」を月まで送り届けることができません。設備を“使える”状態にすることが、「かぐや」と、「月に願いをキャンペーン」で世界中から集まった約41万人の想いを、38万km先の月まで無事送り届けることにつながるのです。今回、私が打上げに携わるのは4機目ですが、これまで以上に打上げ成功の鍵を握っている事を自覚しながら働いています。「是非とも成功させたい!いや、絶対に成功させるんだっ!!」という意気込みでいます。
最後にこれをご覧になったあなた!透き通る青い海と何処までも広がる青い空の中、月に向かう「かぐや」の雄姿を見に種子島へCome On!!
[2007年8月21日 更新]
企画班 池畑 陽介(情報システム部)

今回の打上げでは、種子島へ出張して、打上げ管制隊企画班情報ネットワーク管理係として参加します。
情報ネットワークは遠隔での操作・管理が可能ですが、決して失敗の許されない打上げに関しては、打上げ現場である種子島宇宙センターと、各種システムが設置されている筑波宇宙センターの両方のシステム状況を把握し、維持することが求められます。
また種子島と筑波、東京などを結ぶネットワーク回線も管理しており、打上げ自体にキタ━(゜∀゜)━!!となりながらも、打上げ時や記者会見の映像が皆さんの手元まで届くかどうか内心は(;゜Д゜)ガクガクブルブルしています。
今回のかぐやは月の様々な情報を取得し、地球へ送信します。かぐやのハイビジョンカメラが取得した「地球の出」や月の詳細な画像、各種データをJAXAから全世界へホームページやネットワークを通じて提供できることを楽しみにしています。目指せ「画像提供:JAXA」!!
[2007年8月14日 更新]
射場班 野中 玲子(鹿児島宇宙センター射場運用課)

ロケット追尾はデータを取得する各ステーション担当と計算・処理する計算係とで成り立つわけですが、私が担当するRCO(射場管制官: Range Control Officer)はそれら一連作業の作業指揮・取り纏めを行うことが主な業務になります。管制官というとホワイトカラーのイメージも湧きますが、実際は写真にもあるとおりブルーの作業着なんです。
今回の「かぐや」で自身6機目の打上げ作業になりますが、「かぐや」は今までで最も手のかかる衛星といっていいと思います。なにせ打上げ日が変わると衛星軌道投入時間が変わる、すなわち打上げ時刻も飛行パターンも変わりますので、追尾する射場班も大変なのです。しかも今までの衛星の場合は打上げ当日の打上げ可能時間(ロンチウィンドウ)と言うものがあり、少なくても10分〜20分程は余裕があったのですが、今回はその時間ぴったりでしか打ち上げられないのです。おそらく当日の緊張感は、初めて体験した打上げに匹敵するものだと思います。ロケットを確実に追尾するために我々射場班は、要員訓練に励んでいます。クリティカルな業務であるため、精神的にも体力的にも大変な仕事ですが、それも可愛い衛星とロケットを打ち上げるため!ミッションが成功したときの喜びは何物にも変られません。
その喜びをまた迎えるためにも本ミッションも必ず成功させます。どの飛行パターンでも確実に追いかけてみせますよ。
[2007年8月9日 更新]
総務・渉外班長 貴島 壽男(鹿児島宇宙センター管理課長)

特に「今回の打上げは、今までの地球周回衛星でなく、種子島から初めて月に行く衛星です。」「この衛星にはNHK開発のハイビジョンカメラを載せてあり、月から地球が出てくる“地球の出”が、皆さんのテレビで見れることと思います。」など、これまでとは違った内容であったため、新鮮さがありました。
また、「13号機打上げからMHIが主体にやります。JAXAは、打上げが安全にできるように安全確保業務をしていきます。」と説明すると、「種子島からJAXAがいなくなるのか?」と少し不安な顔をした方もいらっしゃいました。地元の人達からは、「今後もたくさんロケットを打ち上げて下さい。」「ぜひ連続成功するよう、皆さん頑張って下さい。」等の励ましの言葉もたくさんいただきました。
「かぐや」が美しい“地球の出”を送り届けてくれるのを楽しみにして、班の業務を頑張りたいと思います。
総務・渉外班 伊藤 剛(鹿児島宇宙センター管理課)

打上げ管制隊では、総務・渉外班に所属してます。総務業務としては、複写機、FAX等を臨時に借り、故障対応などの際のメーカー側との保守調整などを担当し、円滑な打上げ業務のためのサポートをしてます。
渉外業務としては、各界の要人が打上げを視察される際の受入準備(移動手段、食事、宿泊の段取り)等の調整を種子島サイドの担当として行うことにより、スムーズにご視察いただけるようサポートをしています。当然打上げ当日は、写真のようなTシャツではなく、Yシャツにネクタイでお迎えします。
今回の「かぐや」では打上げ時間の都合上、日帰りでのご視察ができないため、宿泊先の確保のためのホテルへの挨拶回りなども重要です。また、延期の場合は宿泊先との調整など、地元への影響も大きいですので、打上げが順調に行くことを願ってます。
打上げ時期に限らず、種子島は魅力あふれる場所です。是非1度種子島へお越し頂き、種子島宇宙センターはもちろんのこと島内各地をまわって、種子島の歴史、文化、自然環境を体感してみてはいかがでしょうか?そして種子島の美味しい魚と芋焼酎を味わって、理解をより深めていただければ幸いです。私も自ら率先して理解を深めるべく“日夜”活動しております。
[2007年8月3日 更新]
総務・渉外班/企画班 吉田 倫哉(鹿児島宇宙センター管理課)

私が所属するのは総務・渉外班兼企画班。主に、地元の方々に打上げへの協力をお願いしたり、打上げに携わる職員のケアなどを担当します。
ところで、「月に願いを!」キャンペーンで寄せられたメッセージが、小さなシートに焼き付けられて「かぐや」の搭載されていることをご存知でしょうか? 先日、シートを製造した鹿児島県の企業を訪問してきました。70マイクロメートル(µm)という極小の文字を、特殊なエッチングの技術を用いて、薄いオレンジ色のシートに焼き付けます。そのシートが衛星に取り付られているんです。鹿児島県の工業団地にある小さな工場から発信される最先端の技術。日本企業の技術力に感銘をうけました。
新人職員の私にとって、かぐや打上げは最初の大きな仕事。月まで届けかぐや!でも少し寂しい・・・まるでかぐや姫を見送る翁のような気分です。
射場安全班 石川 知朗(鹿児島宇宙センター射場安全課)

「安全無くしてプロジェクトの成功無し!」
F13が事故も無く、安全にロケットが打ち上がるよう、常に重い責任を感じながら作業しております。どうか応援よろしくお願いします!
[2007年7月24日 更新]
総務・渉外班/企画班 佐藤 健一(鹿児島宇宙センター管理課)

総務班では、200台もある臨時PHS端末の貸出管理や、隊員の労務管理が主な担当業務となっています。
企画班兼任の私は、13号機の打上げ時には、総合指令管制棟(RCC)で実況放送を行う予定です。実況放送はインターネット等で世界中にライブ中継されるので、噛まずに放送できるよう練習に励みたいと思います。打上げ時に皆さんと一緒にカウントダウンするのを楽しみにしています。打ち上がる瞬間は、みんなでこう叫んでください。「リフト・オフ!!」と。
[2007年7月17日 更新]
企画班 齊藤 俊哉(鹿児島宇宙センター技術課)

私は企画班で、打上げの組織編成、予算管理、スケジュール調整および気象観測業務など、打上げ管制隊の「ヒト・カネ・情報」全般にかかわる打上げ事業のコーディネーション業務を主体に担当しています。13号機からは打上げ民間移管にともない、打上げ体制の枠組みも大きく変わりますが、打上げ事業者となるMHIへの引継ぎ業務も担当しており、現在はその最終調整段階です。
学生時代には材料開発の研究において各種分析作業等に従事していたため、多彩な観測機器を搭載した「かぐや」には大いに期待を寄せています。また、自分のがんばりが一助となって「かぐや」が月へ届くこと、そしてハイビジョンカメラから送られてくるであろう「地球の出」のそれはそれは美しいであろうことを想像すると、いやでもやる気がみなぎってきます。
かぐやに載せたメッセージは「責任をもって月へ送り出しますよ。とどけ月へ!」
あと34日、月に向かってがんばります!
広報班 外園 幸喜(鹿児島宇宙センター管理課)

「セレーネ愛称募集」では、11,595人の方から応募をいただき、「月に願いを」キャンペーンで世界中の約41万人の方からご応募いただいた名前とメッセージは、衛星に搭載されたネームシートに刻まれています。
種子島宇宙センター内にある宇宙科学技術館では、来館された皆さまにセレーネ旗へ応援メッセージを書き込んでいただいたり、「打上げ成功祈願」や「月まで届け」との願いが込められた千羽鶴を折っていただきました。
沢山の方の夢や希望を載せ、多くの人に打上げを見守られながら、衛星が宇宙へ飛び出す日を楽しみにしています。
[2007年7月12日 更新]