あかつき特設サイト

概要

あかつきミッション概要

地球の双子星、金星の謎を探る「あかつき」
金星探査時代の幕開けは日本から
「あかつき」 提供 池下章裕 金星探査機「あかつき」(PLANET-C)は、火星探査機「のぞみ」(PLANET-B)に続く日本による惑星探査計画で、金星の大気の謎を解明することが目的です。金星は「地球の兄弟星」と言われてきました。その理由は、金星の大きさや太陽からの距離が地球に近い惑星と考えられているからです。ところが実際には、金星は高温の二酸化炭素に包まれ、硫酸の雲が浮かぶ、地球とはまったく異なる環境です。なぜそうなったのか原因がわかってくれば、地球の誕生や気候変動を解明する手がかりが得られます。つまり地球環境を理解する上で最も重要な探査対象なのです。この「あかつき」は、そのような金星探査の時代の先駆けとなるものです。

赤外線でより詳しく金星の素顔を調査
日本も一躍、惑星探査のパイオニアに
「あかつき」は、金星表面からの距離300kmから8万kmまで変化する楕円軌道に投入されます。この距離の違いを利用して、金星全体の気象現象や地表面を広い範囲で調べたり、金星から宇宙空間へと逃げ出す大気の観測や雲のクローズアップ撮影を行います。また金星表面には毎秒100mにも達する「スーパーローテーション」と呼ばれる暴風が吹き荒れていますが、これまでこの自転速度の60倍にも及ぶ風速が発生する原因は気象学的にも理由がつかず、金星最大の謎とされてきました。「あかつき」では、雲の下の大気や地表の様子までを赤外線による観測を行ってその謎の解明に迫ります。その他、これまで確証のつかめなかった金星での雷の放電現象や、火山活動の有無等を調査することもミッションに含まれています。この計画によって、日本は惑星探査の新たなパイオニアとなることを目指します。


金星大気の謎に挑む〜金星探査機あかつき(PLANET-C)〜


「あかつき」の主要諸元
項目 諸元
形状・寸法 2翼式太陽電池パドルを有する箱形(1040mm ×1450mm ×1400mm)
予定軌道 種類:金星周回楕円軌道
近金点高度:300km
遠金点高度:約8万km
軌道周期:30時間
軌道傾斜角:172度
設計寿命 打ち上げ後4.5年
質量 打ち上げ時質量:約500kg
電力 発生電力金星軌道にて約500W(ミッション終了時)
科学観測機器 ミッション機器/主な観測ターゲット
1μmカメラ(IR1)/低層雲、水蒸気、活火山
2μmカメラ(IR2)/低層雲、微量気体、黄道光
中間赤外カメラ(LIR)/雲頂の温度分布
紫外線イメージャ(UVI)/雲頂の紫外吸収物質、SO2
雷・大気光カメラ(LAC)/雷放電発光、高層大気発光
超安定発振器(USO)/大気温度構造



「あかつき」の形状