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JAXA研究開発成果活用促進のための施策の実施について
(「成果活用促進制度」と「JAXAベンチャー支援制度」)

平成16年3月30日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「宇宙航空研究開発機構法」及び「中期計画」において、我が国における産業競争力強化を通じて我が国経済の活性化に貢献するため、研究開発の結果生まれた特許等の知的財産の民間移転を促進し、社会還元を図ることが求められています。
 今般、そのための具体的な施策として、JAXAの知的財産の民間での活用を促進するための制度として、下記の2つの制度を制定し、平成16年度にスタートさせますので、お知らせします。

  1. 成果活用促進制度
    民間企業がJAXAの知的財産を用いて製品化を狙う際、JAXAがその製品化を支援します。製品化への開発リスクが大きく、民間企業が負いきれない場合、そのリスク軽減に向け、JAXAが製品化のために、民間企業と共同で追加研究を行う制度です。
  2. JAXAベンチャー支援制度
    JAXA職員が、JAXAの知的財産を用いてベンチャー企業を興す際、人事面、ライセンス面、会社設立支援等によりJAXAが当該起業活動をサポートする制度です。

両制度の詳細は別紙をご参照下さい。

お問合せ先:
産学官連携部知的財産グループ(寺澤、恩田、黒川)
Tel 03-3438-6176
e-mail:SPACEBIZ@jaxa.jp



別紙

1.「成果活用促進制度」

(1)目的
民間企業がJAXAの知的財産*を用いて製品化を狙う際、JAXAがその製品化を支援する。製品化への開発リスクが大きく、民間企業が負いきれない場合、そのリスク軽減に向け、JAXAが製品化のために、民間企業と共同で追加研究を行う。
*:特許、実用新案、意匠(特許と組合わせて用いる場合)、プログラム、回路配置利用権、育成者権、ノウハウ。
(2)手続きの概要
<企業からの申請> ・JAXAの成果を活用して製品化を狙う企業は、JAXAにその旨を申請する。
<研究者のアサイン等> ・JAXAは、当該申請を受け、対応する研究者のアサイン等、調整を行う
<審査> ・JAXAは、(3)の審査を経て研究テーマを選定。
<研究開発の実施> ・選定された企業は、JAXAと共同で研究開発を実施。
・技術移転先の企業、製品分野は宇宙航空分野に限定しない。
・研究期間は最長2年間。
(3)審査方法と基準
  • JAXA内の審査委員会にて、JAXA研究者及び企業からヒアリングを行ない、内容を審査。
  • 主な審査基準は、[1]製品化のための技術的課題を正確に把握しているか、[2]技術的課題を解決するための明確な研究見通しがあるか。
(4)その他
  • 本制度は、旧航空宇宙技術研究所(NAL)にて平成14年9月に開始し、15年度までに18件の研究テーマを選定*。うち7件の利用許諾契約が締結された。

    *:選定されたテーマの例「有機廃棄物の再資源化を目指す連続処理装置の実用化研究」
    宇宙での閉鎖環境の中で、有機廃棄物や排水をいかにして完全無公害に処理し、再利用できるかを目指した研究の一環として、NALにおいて装置を開発。当該装置を民生分野へ技術移転すべく、企業と共同研究を実施している。


2.「JAXAベンチャー支援制度」

(1)目的
JAXA職員が、JAXAの知的財産*を用いてベンチャー企業を興す際、人事面、ライセンス面、会社設立支援等によりJAXAが当該起業活動をサポートする。
*:特許、実用新案、意匠、商標、プログラム、回路配置利用権、育成者権、ノウハウ。
(2)手続きの概要
<応募> ・ベンチャー起業を目指すJAXA職員が応募。(随時)
<審査> ・JAXAは、応募があった場合、(3)の審査を経て支援の可否を決定。
<支援内容> ・兼業時の優遇や休職出向制度の適用、成果利用に際しての優遇、JAXA内連絡事務所の提供等。
・更に、外部委託機関による会社設立手続き支援、事業計画策定支援、資金調達支援、開発・マーケティング支援、法務・財務専門家の紹介、を含む。

<認定期間> ・認定期間は5年間とし、必要に応じて最長10年まで延長可。ただし、[1]選定時の審査基準を満たすことが困難とJAXAが判断したとき、[2]株式の上場を行うに至ったとき等は支援を解除。
(3)審査方法と基準
  • JAXA内の審査委員会にて、内容を審査。委員会には外部専門家をオブザーバーとして招き、より客観的な審査を行う。
  • 主な審査基準は、[1]JAXAの研究開発成果を利用した事業か、[2]申請者自ら出資するか、[3]経営戦略が適切であり事業性が見込めるか。
(4)その他
将来「JAXAベンチャー支援制度」を利用して起業することを予定いるJAXA職員が、起業のための研究を行うことを目的として成果活用促進制度に応募することができる。

3.今後の進め方

両制度共、平成16年度以降に募集を開始する。


宇宙航空研究開発機構 広報部
TEL:03-6266-6413〜6417
FAX:03-6266-6910