宇宙航空研究開発機構
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
1. 報告事項
M-Vロケット6号機については、現在実施中の衛星の準備作業に続いてフライトオペレーションを行うべく、これまで最終的な確認作業を実施してきた。
この確認作業の結果として6号機の打上げに向けてより万全を期すため第3段目のノズルの交換を行うこととし、実験予定日について変更を行うこととした。また、より詳細な解析を進めてきた結果、実験時間帯について変更を行うこととした。
2. 第3段ノズル交換に伴う実験予定日の変更
当該ノズルは、領収試験に合格し、これまで準備を進めてきたところであるが、より確実な打上げに向けて、詳細な確認作業を再度行い、領収試験結果だけにとどまらず、予備試験の結果をも含めて、試験データの詳細に係る再評価を実施した。
本ノズルは、領収試験に問題なく合格しているものの、予備的データ取得試験のデータに一部、従来号機の実績値と異なる値を示した経緯がある。一方、次号機の打上げのために整備している8号機向けノズルについては、予備試験を含め、すべて実績値と同等であることが確認された。
このため、より確実な打上げを目指す観点から、取付け済みのノズルを8号機用ノズルに交換することとした。
この追加作業のため、実験予定日は、従来想定していた6月26日から7月6日に変更となる。
なお、実験予定日は、今後の準備作業の進捗を受けて、別途、正式に設定する。
実験計画(案)の表記の変更案を別紙に示す。
3. 実験時間帯の変更
当初、M-Vロケット6号機の実験時間帯は、
(1) | 衛星の発生電力が必要消費電力を上回ること(11:00頃以降なら問題なし) |
(2) | 衛星を円軌道に軌道変更する際、軌道の判定(観測)を行うため、衛星の「赤道面通過〜日陰開始」までの時間を確保できること(13:00頃まで問題なし)。 |
という2つの制約により、11:00〜13:00としていた。また、このうち打上げ目標時刻は、解析上の誤差や衛星の機軸方向の投入誤差、電力マージンを考慮し、発生電力がある程度増加している12:00頃を考えていた。
その後、必要消費電力の解析を詳細化して打上げ可能となる時間帯の予測精度を高める一方、電力供給におけるリスク要因を考慮した詳細な解析を進め、
(1) | 衛星の機軸方向の投入誤差の詳細解析 |
(2) | 衛星スピンの平均だけではなくスピンに伴う瞬間最低電力も考慮するなどの、電力的に厳しい側となる要因も加えた詳細な検討 |
を実施した結果、電力供給に対するリスクをより低減するために、打上げ時刻を当初ケースよりもさらに発生電力が増加する側にある12:30以降と想定することとした。これに、軌道の判定のための上記制約をあわせて考慮し、12:30〜13:00を新たな時間帯として設定することとした。
なお、実験時間帯を120分間から30分間にすることに対するリスクに対しては、M-Vロケットは全段固体ロケットであり、液体ロケットに比べ打上げ当日の作業遅れが発生する可能性が少ないことより問題ないと考えている(M-Vロケットの過去の打上げ(4機)は全て、設定時刻通りに行われている)。
実験計画(案)の表記の変更案を別紙に示す。
ロケット | 実験予定日 | 実験時間帯 | 実験予定期間 |
---|---|---|---|
M-V-6 | 平成17年6月26日 | 11時00分〜13時00分 | 6月26日〜7月15日 |
ロケット | 実験予定日 | 実験時間帯 | 実験予定期間 |
---|---|---|---|
M-V-6 | 平成17年7月6日 | 12時30分〜13時00分 | 7月6日〜7月15日 |
宇宙航空研究開発機構 広報部
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