プレスリリース

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M-Vロケット6号機/ASTRO-EIIの準備状況について

平成17年6月22日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1. 報告事項
 M-Vロケット6号機については、6月18日より打上げに向けた最終整備作業であるフライトオペレーションを開始している。これまでの準備状況について、以下に報告する。

2. 準備状況
 ロケット第1・2段は、3月までに実施された組立オペレーションにおいて組立てを完了している。なお、ロケット第3段については、打上げに向けてより万全を期すためにノズル交換を行うこととしていたが(平成17年6月1日報告済)、6月17日までに無事に交換作業を完了している。
 また、ASTRO-EIIは、6月17日までにRCS推薬の充填を完了している。
 6月18日からはフライトオペレーションとして、ASTRO-EIIをロケット第3段に結合する作業を実施しており、電気的な確認試験を行っている。

3. 今後の予定
  衛星とロケット第3段の結合作業完了後は、フェアリングの取付けを行い、これらを発射整備塔に移動して全段の結合を行う。その後、全系の確認試験、打上げに向けた最終リハーサルを7月3日に行う予定である。打上げ実験予定日は7月6日である。



補足説明

ASTRO-EII衛星の整備状況概要

  • 衛星試験状況(総合試験以降)
    • 衛星総合試験 2004年4月1日-12月27日
    • 保管期間   2004年12月28日-2005年3月16日
    • 射場移動前確認試験 2005年3月17日-5月17日
    • 質量特性試験(筑波) 2005年5月19日
    • フライトオペ2005年5月25日-
  • 打ち上げへ向けた確認
    • 科学衛星総点検チーム/科学衛星独立評価チームによる総点検(2004年5月〜7月)
        →宇宙開発委員会調査部会衛星総点検専門委員会による審議結果報告書(2004年9月)
    • 打ち上げ前レビュー会(科学衛星独立点検チーム) 2005年5月16日、6月8日
    • 打ち上げ前レビュー会の確認(JAXA信頼性改革会議) 2005年6月3日、6月10日

打ち上げ前レビューの実施

- 総合試験以後に起こった問題のプロジェクトの検討結果
- 総点検要対策、要検討事項の処置確認
- 打ち上げから軌道変更終了までの打ち上げ運用を中心とした運用についてのプロジェクトの検討結果
 に関してレビューを実施し、問題のないことを確認した。


【特記事項】

  2005年3月射場移動前確認試験中に、他衛星の点検からの水平展開で太陽電池パドルの再点検を行ったところ、一部の太陽電池セルに完全に接着していない部分があることが分かった。
 原因はセルが貼り付けてあるハニカムコアパネル内に空気抜け穴が十分に施工されておらず、熱真空試験中に閉じ込められた空気が膨張してハニカムコアの表面に膨れが起こり、セルに未接着の部分を生じさせたためであった。
対応として以下の検討を行った。
 1 パドルの再製作
 2 現パドルを補修して使用
その結果、
1)現パドルに空気抜け穴を施工し、更に太陽電池セルの一部を張り替えるなどの補修を施した上で使用することについて解析や試験で問題ないことが確認できたこと、及び
2)パドルを再製作する際のデメリットを考慮して、
 補修を施した現パドルを用いてASTRO-EIIを打ち上げることに問題がないと判断した。
  本件については、プロジェクトチーム以外のJAXAの専門家による点検・評価も行い、万全を期した。


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