プレスリリース

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光衛星間通信実験衛星「きらり」(OICETS)と
ドイツ航空宇宙センター(DLR)光地上局による
光通信実験の成功について

平成18年6月9日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、6月7日午前10時13分(日本時間)に高度約600kmを周回しているJAXAの光衛星間通信実験衛星「きらり」(OICETS)とドイツ航空宇宙センター(DLR)の光地上局(バイエルン州ウェスリング)との間で、レーザ光による光通信実験を実施し3分間の光通信(「きらり」からのダウンリンク)に成功したことを確認しました。

 低軌道周回衛星と光地上局を結ぶ光通信実験としては、本年3月に「きらり」と情報通信研究機構(NICT)の光地上局との間で、双方向の光通信実験に世界で初めて成功しています。今回の実験は、DLRの光地上局が可搬型(一般的な地上局とは異なり、場所の移動が可能なシステム)であるという特徴があり、本実験の成功により、衛星と可搬型光地上局による柔軟な光通信ネットワークの構築(天候等に左右されることがない光衛星通信システム)の可能性を示すことができました。

 今後「きらり」は、光地上局との光通信実験や、統計的データの取得を目的とした欧州宇宙機関の先端型データ中継技術衛星(ARTEMIS)との光衛星間通信実験等を継続して実施していく予定です。



【 補足資料:DLR光地上局の概要 】


所在地: ドイツ連邦共和国バイエルン州ウェスリング
ドイツ航空宇宙センター 通信・航法研究所
光学系: カセグレン式反射望遠鏡(口径40cm)
送信レーザ光: 出力約10W
拡がり角:5ミリラジアン
光通信受光素子:     アバランシェフォトダイオード(※1)
※1 アバランシェ増倍(高電界がかかっている半導体に光が当たることにより大電流が発生するという原理)を応用し、受信感度を非常に良くしたフォトダイオードであり、微弱な光を検出する受光素子として利用されています。


< DLR光地上局の外観 >

(参考:NICT光地上局の概要)
 所在地:東京都小金井市
 光学系:カセグレン式反射望遠鏡(口径1.5m)
 光通信受光素子:アバランシェフォトダイオード


宇宙航空研究開発機構 広報部
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