プレスリリース

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S-310-38号機 発表文

平成20年2月6日

宇宙航空研究開発機構
宇宙科学研究本部
観測ロケット実験班

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、高度150kmまでの三次元プラズマ分布の観測を目的とした観測ロケットS-310-38号機を平成20年2月6日18時14分40秒(日本時間)に、内之浦宇宙空間観測所から上下角72.4度で打ち上げました。
 ロケットの飛翔および搭載された機器の動作は全て正常で、計画どおり発射後60秒に開頭が行われ、62秒に観測を開始しました。ロケットは、発射後196秒で最高高度157kmに達し、298秒後にチャフを放出した後、全ての観測を終え、内之浦南東海上に落下しました。
 マグネシウムイオンイメージャ、中波・超長波帯電波測定器、磁力計、高速ラングミューアプローブ、インピーダンスプローブ等の搭載観測装置は全て正常に動作し、上昇時下降時を通じて観測を行いました。発射から約90秒後に高度105 km付近において電子密度の高い領域を観測し、ロケットがスポラディックE層を通過したことを確認しました。ロケットから放出されたチャフの追尾は新精測レーダにより613秒まで行い、高度89 kmから110 kmの領域での風向と風速を測定しました。
 地上観測班は、イオノグラムにより電離圏電子密度、NaライダーによってNaの密度分布の同時観測を行ないました。
 今回の実験で取得されたデータについては、今後、詳細な解析が行われ、成果として公表する予定です。

 光学班は発射後30秒までロケットを追跡しました。
 本日の天候は晴、地上風は東の風3m/秒、気温 7℃でした。

 これをもちまして、宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部の平成19年度第2次観測ロケット実験は終了しました。関係各方面のご協力に感謝いたします。