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超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を利用した
155MbpsでのIP通信確認結果について

平成20年4月8日

宇宙航空研究開発機構
情報通信研究機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と情報通信研究機構(NICT)は、平成20年3月28日から4月7日にかけて共同で実施した「きずな」初期機能確認作業におきまして、「きずな」のマルチビームアンテナ*1を使用して、超小型地球局(アンテナ直径45cm)と高速小型地球局(アンテナ直径1.2m)との間の再生交換中継特性確認を実施し、毎秒155メガビット(155Mbps)の伝送速度でのIP(インターネットプロトコル)通信が正常に行われたことを確認しました。特に、衛星から45cm直径アンテナの超小型地球局に対する155Mbpsという伝送速度は世界最高速です。

 なお、「きずな」は3月1日より初期機能確認段階に移行し、現在搭載機器の機能・性能確認を実施しています。これまでマルチビームアンテナの自動追尾機能、マルチポートアンプの約280Wの出力などが正常に機能していることを確認しています。

 今後も「きずな」の特長である多数の地上局間の相互接続確認、毎秒1.2ギガビット(1.2Gbps)伝送特性、アクティブフェーズドアレイアンテナの機能・性能確認などを実施する予定です。

【通信イメージ図】


【イメージ図解説】
沖縄にアンテナ直径45cmの超小型地球局,東北にアンテナ直径1.2mの高速小型地球局を用意。まず45cmアンテナから「きずな」へ伝送速度1.5Mbpsで送信、「きずな」を経由し1.2mアンテナが同155Mbpsで受信。次に逆方向として1.2mアンテナから「きずな」へ155Mbpsで送信。「きずな」を経由し45cmアンテナが155Mbpsで受信。この時「きずな」は「再生交換中継モード*2」で実施しています。

*1
「きずな」には「国内及び近隣国向け」と「東南アジア向け」のマルチビームアンテナを搭載しており、各々、日本9地域分割及びソウル・北京・上海と、東南アジア7都市をカバーしています。

*2
再生交換中継モードとは、地球局から送信されたデータをいったん衛星内部で復調し、データ処理後、相手方地球局に送信する、衛星搭載再生交換機を使用するモードのことです。従来の一度地上局にデータを降ろして処理をし、再度衛星に送り返してから相手方に伝送するという地上の交換機機能を、「きずな」のように衛星そのものに搭載することにより、時間遅れの小さい通信が可能になります。