世界銀行 ラテンアメリカ・カリブ海地域
宇宙航空研究開発機構
ワシントン、2008年4月17日−宇宙航空研究開発機構(JAXA)と世界銀行は本日、JAXAが開発・運用する陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の利用について覚書を交わした。同衛星のもたらす最新の詳細データと専門知識が今後ラテンアメリカ・カリブ海地域における気候変動への対策強化に貢献することになる。
世銀はラテンアメリカ・カリブ海地域全域において、破壊の危機にさらされている生態系の変化を把握するための効果的ツールとしてALOSを利用するもので、ALOSはその高度な性能により、同地域における世銀の適応イニシアティブ促進に一役買うことになる。
最新機器を搭載したALOSは、土地被覆や天然資源を高解像度で撮影する機能も備えている。ALOSから送信された画像とデータは、コロンビアやメキシコのほか、ペルー、ボリビアとエクアドルのアンデス地域、ならびに西インド諸島での世銀の適応プロジェクトで活用される。ALOSで撮影されたアンデス山脈の熱帯氷河の画像はすでに、同地域における適応プロジェクトで氷河の動きを把握するために利用されている。
「高解像度の撮影が可能な最新のシステムを利用できることは、世銀とそのパートナーにとって大きな前進です」と、世銀ラテンアメリカ・カリブ海地域担当持続可能な開発局長であるローラ・タックは言う。「気候変動の影響は同地域の経済、特に貧困層に大きな負担となってのしかかってきます。同地域では気候変動が回復不能の大きな影響を与えるとの見通しから、適応が重要な鍵となります 」
「ALOSがラテンアメリカ諸国における世銀プロジェクトに貴重な貢献をするものと期待しています。今回の覚書調印は、技術的な専門知識とキャパシティ・ビルディングなど科学・技術面でのやりとりを活発化させ、ALOSによる貢献の追い風となるでしょう。」と、JAXAの堀川康理事は説明している。「この覚書は、地球上と宇宙空間の両方において世界の環境問題という共通の課題に取り組むためのこの新たなパートナーシップにおいて重要な第一歩となるものです」
ALOSは、ラテンアメリカ・カリブ海地域で 気候変動適応プロジェクトの一環として世銀が進めている以下のような一連の適応プログラムが進展に貢献する。
ラテンアメリカでの気候変動に関する世銀の取り組みの詳細は、以下のウェブサイトでご覧いただけます。
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問い合わせ先:
ワシントン: Sergio Jellinek (202) 458-2841 |