宇宙航空研究開発機構
宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)理事長 立川敬二と、米国航空宇宙局(以下「NASA」)長官 チャールズ・ボールデン(Charles Bolden)は、平成21年7月31日(日本時間)、米国フロリダ州ケープカナベラルのジョンF.ケネディ宇宙センターにおいて、地球全体の降水(雨や雪)を複数の人工衛星を使って観測する全球降水観測(GPM)計画の開発及び運用活動に関する了解覚書(以下「MOU」)を締結いたしましたので、お知らせいたします。これにより両組織の協力を深め、相互の研究開発能力及び人材を活かしてより一層の総合力を発揮することを目指します。
これまでJAXAは、NASAと共同開発の熱帯降雨観測衛星「TRMM」(トリム)で、熱帯の降雨量の観測を行ってきました。GPM計画では、複数の人工衛星に搭載されるセンサーから取得されるデータの解析により、熱帯に限らず地球規模の降水観測を行うための技術の発展に資するとともに、日本と米国との間の宇宙開発利用分野における国際協力の発展に寄与することが期待されます。本MOUでは、GPM計画の中心となるGPM主衛星の開発及び運用活動における協力内容を定めています。
GPM主衛星には、JAXAが、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)と共同で開発する二周波降水レーダ(DPR)が搭載され、その観測データを利用することにより複数の人工衛星による降水の観測精度を向上し、より高精度、高頻度な降水の観測を目指します。DPRは、GPM計画の中核を担うセンサーです。GPM計画、及びDPRセンサ諸元は参照。
GPM計画で作成する全球降水マップは、気候変動のモニタリング・気候モデルの評価、気象予報精度の改善、洪水警報システムの構築等に役立つことが期待されています。なお、GPM主衛星は2013年度にH-IIAロケットで打ち上げられる予定です。
○締結された協力の内容