プレスリリース

プリント

星出彰彦宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在の決定について

平成21年11月18日

宇宙航空研究開発機構

 星出彰彦宇宙飛行士が、ISS第32次/第33次長期滞在搭乗員として決定しましたのでお知らせいたします。星出宇宙飛行士は、日本及び国際パートナーの科学実験をはじめとする宇宙環境の利用に重点をおいた活動をISSで行うことになります。

 星出宇宙飛行士は、スペースシャトル「ディスカバリー号」による1Jミッション(STS-124ミッション/2008年6月)に搭乗後、現在は宇宙飛行士訓練を継続しています。また軌道上のISS搭乗員と交信を行う「クルー交信担当※」として、NASAのミッション・コントロール・センターにおいてISS運用に貢献しています。

※NASAでは、CAPCOM(Capsule Communicator)と呼んでいます。
滞在時期:
平成24年初夏頃から約6ヶ月間程度
輸送機:
打上げ、帰還ともにソユーズ宇宙船
主な作業:
ISSフライトエンジニアとして、宇宙環境を利用した科学実験、「きぼう」日本実験棟を含むISS各施設のシステム運用及びISSロボットアーム操作を実施する予定。
今後の予定:
軌道上での科学実験、「きぼう」日本実験棟をはじめとするISS各施設のシステム運用及びISSロボットアーム操作に必要な訓練を行うとともに、ソユーズ宇宙船搭乗に必要な訓練を実施する予定。

参考資料:
星出宇宙飛行士 略歴
日本人宇宙飛行士の搭乗計画
JAXA理事長談話
搭乗決定にあたっての抱負
参考リンク:
宇宙ステーション・きぼう広報情報センター
http://iss.jaxa.jp/



星出宇宙飛行士の略歴


星出 彰彦(ほしで あきひこ)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士
40歳(2009年11月18日現在)




1968年 東京都生まれ
1992年 慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業
1992年〜1999年 NASDA(現JAXA)にて、H-IIロケットなどの開発・監督業務、宇宙飛行士の技術支援業務に従事
1997年 UNIVERSITY OF HOUSTON CULLEN COLLEGE OF ENGINEERING航空宇宙工学修士課程修了
1999年2月 古川 聡、角野(現 山崎)直子とともに、宇宙飛行士候補者に選抜される
1999年4月 基礎訓練を開始
2001年1月 宇宙飛行士に認定
2001年4月 ISS 参加機関の国際協力のもとに実施されるISS 搭乗宇宙飛行士のアドバンスト訓練に参加
2004年5月 ソユーズ-TMA 宇宙船フライトエンジニア資格を取得
2006年2月 NASAの搭乗運用技術者(MS) に認定
2008年6月 1Jミッション(STS-124ミッション)に参加し、「きぼう」日本実験棟船内実験室のISSへの取付・起動等を実施




JAXA宇宙飛行士の搭乗計画 2009年11月18日現在




理事長談話

星出彰彦宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在の決定について

平成21年11月18日


 この度、国際宇宙ステーションに長期滞在する4人目の日本人宇宙飛行士として星出彰彦宇宙飛行士を皆様にご紹介できることを、非常に喜ばしく思っております。

 星出宇宙飛行士は、平成20年6月の初飛行で「きぼう」船内実験室の組立に係る作業などを行いました。飛行後は、その経験と持ち前の判断力を活かし、軌道上のISS搭乗員と交信を行う「クルー交信担当」として地上からISS運用に貢献し、さらに、この春頃に採用した宇宙飛行士候補者の指導も行ってまいりました。

 星出宇宙飛行士が長期滞在を行う平成24年頃は、「きぼう」日本実験棟の初期の利用活動をさらに発展させ、極限環境を利用した新しい基礎科学研究及び、宇宙環境や有人活動を利用したイノベーションの創出を実施して、社会や国民に支持される様々な利用成果を社会に還元することを目指しております。我々はこれらの科学実験などにおいて、星出宇宙飛行士が彼の多彩な能力をもって貢献してくれることを期待しております。

 我々は、今後とも日本人が継続的に宇宙での長期滞在を行い多様な宇宙実験を実施することにより、日本の有人宇宙技術の発展はもとより、新しい科学的知見の獲得や、地上の産業、生活への応用につながる利用成果の獲得を進めていく所存です。

 このたびの決定にあたり、NASAをはじめとする内外の関係者の皆様方から賜りましたご尽力に対し、心から感謝いたします。

宇宙航空研究開発機構
理事長  立川 敬二





搭乗決定にあたっての抱負


 ISS第32次/第33次長期滞在搭乗が決定し,素直に嬉しく,また身が引き締まる思いです。

 定期的に日本人宇宙飛行士が長期間宇宙に暮らし,仕事をする時代になりましたが,STS-124/1Jミッション搭乗およびSTS-127/2JAや宇宙ステーション補給機HTV1号機等ミッションの地上支援を通じて得た経験を生かし,国際的なチームの一員として,各種宇宙実験,ISSおよび日本実験棟きぼうの運用に貢献したいと思います。国際的にも評価されている筑波を初めとする,世界中の管制チームや訓練インストラクターと,ミッションに向けてまた一緒に仕事ができることを楽しみにしております。

 この度の搭乗決定にあたりご尽力いただいた関係者の皆様に感謝するとともに,国際宇宙ステーション計画および宇宙開発への皆様の更なるご支援,応援をお願い申し上げます。

JAXA宇宙飛行士 星出彰彦