プレスリリース

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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)を用いた防災利用実証実験に関する
新潟県と宇宙航空研究開発機構との協力について

平成21年11月20日

宇宙航空研究開発機構
新潟県

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と新潟県は、陸域観測技術衛星「だいち」の防災利用のため、地震、風水害等の災害に関する防災利用実証実験を共同で実施することとし、平成21年11月19日に協定を締結いたしました。
 本協定は、災害発生後の被害推定箇所など、地球観測衛星から得られた情報による将来の防災業務における貢献を目的としています。新潟県が整備する防災情報の収集・共有・配信を目的とした総合防災情報システムを基盤とし、JAXAが提供する「だいち」観測データを用いた防災支援情報の有効性を検証し、災害発生時におけるヘリ画像や各種気象情報などの防災情報と、衛星データの相乗的な活用方法の検討します。なお、締結した協定の主な内容は次のとおりです。


1.実証実験の内容と役割
 【共同実施業務】
  (1)災害発生時における二者間の緊急時連絡体制の確立
  (2)災害発生時に備えた衛星画像及び「だいち防災マップ」の提供方法の確立
  (3)新潟県における防災分野での衛星利用の検討
  (4)災害発生時における衛星画像からの解析情報の評価及び課題の抽出

 ※だいち防災マップ…「だいち」の画像を利用し、道路の情報などを重ね合わせた地形図

 【新潟県の役割】
  (1)JAXAが提供した衛星画像及び「だいち防災マップ」の活用及び有用性の評価
  (2)新潟県中越沖地震などの災害記録の提供
  (3)本活動を通じて検討した衛星利用方法の試用及び評価
  (4)災害発生時、災害地域の情報をJAXAに提供し解析画像の有用性を評価

 【JAXAの役割】
  (1)災害発生前後の比較のための衛星画像及び「だいち防災マップ」の提供
  (2)新潟県からの災害情報等を用いた新潟県における衛星利用の検討
  (3)新潟県から緊急観測要求に対応した「だいち」による被害推定地域の観測
  (4)被害推定地域の解析結果の新潟県への提供

2.協定の期間
 平成21年11月19日から平成23年3月31日(平成22年度末)まで


■防災利用実証実験の概要


図1 防災利用実証実験の概要


■「だいち」のデータ活用事例

図2 だいち防災マップ(新潟県)
(「だいち」画像の上に地図情報を重畳)

図3 土砂災害の解析イメージ(鳥瞰図イメージ)