宇宙航空研究開発機構
アジア開発銀行
宇宙航空研究開発機構(JAXA)とアジア開発銀行(ADB)はこのたび、災害管理、気候変動の緩和・適応、森林監視、水資源管理への衛星技術の活用促進に関して協力関係を締結することで合意し、21日ADBマニラ本部で行われた調印式に黒田東彦(くろだはるひこ)総裁と立川敬二(たちかわけいじ)JAXA理事長が出席し、協力意向書に署名しました。
JAXAの立川敬二理事長は調印式で「ADBが進めるアジアの持続可能な開発事業に対して、宇宙技術で貢献する道を開くこの協力意向書の締結は、JAXAにとっても非常に意義深いものと考えている。」と語りました。
黒田東彦総裁は調印式のスピーチで、「アジア地域は、1980年から2006年までの水関連災害による犠牲者の45%以上、被災者の90%を占めている。また、環境と気候変動の問題は、この地域の発展を根本から揺るがしかねない脅威だ。」とした上で、「災害時に衛星から送られる広範囲の気象状況や被害状況は、住民の避難誘導や復旧活動に大きく役立つだろう。また、気候変動に大きな影響を与える森林面積や植生の変化も、衛星によって一目瞭然に把握することが可能となる。こうした分野を通じて、JAXAなどの衛星技術が、アジア太平洋地域の発展に貢献することを期待したい。」と述べました。
ADBでは、今回の取り決めに基づき、衛星から取得されるデータを活用したADBプロジェクトへの技術支援や、加盟途上国の政府関係者を対象とした衛星データ活用などのトレーニングによる能力向上にも取り組むほか、ワークショップなどによる協力成果をJAXAと共有し、JAXAから専門的人材の受け入れを検討しています。