プレスリリース

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全天X線監視装置(MAXI)によるX線新星の発見について

平成22年9月29日

宇宙航空研究開発機構
理化学研究所(RIKEN)

 MAXIミッションチームは、「きぼう」日本実験棟 船外実験プラットフォームに設置された全天X線監視装置(MAXI)によってX線新星を発見し、世界に速報しました。
 このX線新星は「へびつかい座」に出現したもので、9月25日午後7時過ぎ(日本時間。以下同)にMAXI新星速報システムが捉えました。この速報を、すぐに関係研究者に展開するとともに詳細な解析を行い登録されていない新天体であることを確認しました。本新星は、MAXI J1659-152と命名され、9月26日午前1時過ぎに天文電報ATelを通じて世界に速報されました。



発見時の新星のX線強度の時間変化

9月25日から急激にX線強度が増している。
9月25日午後7時過ぎにMAXI新星速報システムがこの増光を捉えた。


 この発見速報を受け、X線、ガンマ線、光、電波の観測が世界多くの天文台で行われており、現在(9月29日0時(日本時間))までに、17報の速報が発行されています。この天体は、ブラックホールとの連星系である可能性が高く、世界の天文学者が注目しています。JAXAのX線天文衛星「すざく」でも詳細な観測を行っています。

 なお、本発見はMAXIチームのメンバーである日本大学 根来均准教授が中心となって行いました。



新星が発見された9月25日前後(日本時間)の全天画像の比較