プレスリリース

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第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)
搭載センサAMSR2の観測データ取得について

平成24年7月4日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、平成24年5月18日午前1時39分(日本時間)に種子島宇宙センターから打ち上げた第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)は、6月29日にA-Train軌道に投入された後、搭載している高性能マイクロ波放射計「AMSR2」(アムサー・ツー)のアンテナ部を毎分40回転まで回転させ、7月3日より、地球の観測を開始しました。取得した画像のいくつかをお知らせします。

 図1は、7月3日午前9時頃から7月4日午前9時頃(日本時間)にかけての約1日間に、「しずく」搭載のAMSR2が地球の全体を観測した画像です。画像のなかで、黄白色の部分は強い降水領域や海氷域を、水色から紺色への色の変化は大気中の水蒸気や雲の増加をそれぞれ表しています。黒色は観測されていない領域です。

【図1】


 図2は、図1の日本周辺の領域を拡大したものです。「しずく」は7月3日午後1時頃(日本時間)に日本の上空を通過しました。このとき、日本の上空には梅雨前線が停滞し、四国の東側や近畿東海にかけて黄白色の領域が広がっており、広い範囲で強い雨が降っていたことがわかります。また、日本の東の海上には低気圧による水蒸気と雲の分布が、水色と紺色の渦状にみられます。

【図2】


 図3は、7月3日午前8時頃から7月4日午前9時頃(日本時間)の北極海の海氷分布図です。「しずく」は極地方上空を100分に1回通過するため、北極海全体を毎日観測することが可能です。白色が濃い領域は海氷に覆われていることを示し、海は青色、陸地は灰色、観測されていない領域は黒色で表されています。近年北極海航路が注目されていますが、ロシア沿岸を航行する北東航路、およびカナダ・アラスカ沿岸を航行する北西航路のいずれについても、すでに一部の海域で海氷がなくなっている様子が捉えられています。

【図3】


※下記URLをクリックいただくと、高解像度画像がご覧いただけます。
http://www.jaxa.jp/countdown/f21/live/missionphoto_j.html


 今後も引き続き初期機能確認(打上げ後3か月間)を行った後、地上観測データとの比較などによるデータの精度確認やデータ補正等を行う、初期校正検証を実施する予定です。