プレスリリース

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宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)の
大気圏への再突入完了について

平成24年9月14日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)は、9月14日(金)午後2時00分(日本時間)に第3回軌道離脱マヌーバを実施し、大気圏に再突入しました。
 「こうのとり」3号機は、所期の目的である国際宇宙ステーションへの物資輸送を完遂し、本日の再突入をもって、約56日間にわたるミッションの全任務を完了しました。
 なお、再突入推定時刻及び着水推定時刻は下記のとおり(日本時間)。

再突入※推定時刻 :平成24年 9月14日(金) 午後2時27分頃
着水推定時刻 :平成24年 9月14日(金) 午後2時38分頃〜2時59分頃
※:高度約120km


参考リンク:より詳細につきましては、次のインターネットアドレスをご覧ください。 http://iss.jaxa.jp/htv/



理事長談話
宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)の
ミッション完了について



本日、宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)は軌道離脱を実施し、計画通り大気圏に再突入し、所定の海域に安全に落下したものと思われます。
「こうのとり」3号機は、7月28日に国際宇宙ステーション(ISS)への結合に無事成功した後、約46日間、ISSに係留いたしました。その間に全ての船外及び船内貨物がISSへ移送され、本日の再突入をもって所期の全ての任務を無事に完遂することができました。

「こうのとり」3号機では、メインエンジンや姿勢制御用スラスタ等を海外調達から日本製に切り換えて国産化率を上げたこと、また3回続けて成功を収めたことで、我が国の優れた宇宙機の製造技術及び独自開発のISSへのランデブ飛行技術の高い信頼性を世界に示すことが出来ました。今後ともISS基幹システムの保全用補給品や船外装置などISS運用に不可欠な物資の輸送手段として、我が国のプレゼンスを高める活躍が大いに期待されます。

「こうのとり」の開発・運用は、宇宙機の運用技術の蓄積や将来の独自の有人宇宙船開発に向けた技術獲得に活かされております。今回のミッションでは、日本として新たにデータ収集装置を搭載し、再突入時の機体破壊時の温度・加速度等の各種データや静止画データの取得を試みました。これらのデータは、宇宙機の破壊現象の解明に活用され、再突入の安全性向上に寄与するとともに、再突入帰還機の研究・開発にも反映していく計画です。

最後に、H-IIBロケット3号機による「こうのとり」3号機の打上げから本日の再突入実施に至るまでの任務完遂に際し、これまで多大なご協力、ご支援をいただきました国内外の関係機関の皆様方及び国民の皆様方に心からお礼を申し上げる次第であります。
今後も「こうのとり」の打上げによる物資輸送を着実に遂行していくとともに、国際宇宙ステーション及び「きぼう」日本実験棟の利用を一層推進していく所存でおりますので、今後とも一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
平成24年9月14日
宇宙航空研究開発機構
理事長 立川 敬二