宇宙航空研究開発機構
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟 船外実験プラットフォームのポート共有実験装置(MCE)ミッションの一つとして実施した「EVA支援ロボット実証実験(REX-J)」において、テザー(紐)制御によるロボットの空間移動技術の実証に成功しました。
今回の実験では、ロボットに内蔵した伸縮自在のロボットアームとロボットハンドを使って、テザー先端のフックをハンドレールに取り付け、4本のテザーで支持し、テザーの長さを制御してロボットを移動させました。本実験により、JAXAは、世界初となるロボットの自己取付けテザーによる移動技術の実証に成功し、小型のロボットで大型構造物上を空間移動する方式の軌道上確認と構成要素の特性データを取得するというミッション目的を達成することができました。
REX-Jは、宇宙飛行士の船外活動(EVA)を支援・代行するロボットの実現を目指し、同ロボットを実現する上で不可欠な「空間移動技術」の要素技術を実証実験するミッションで、平成24年7月21日(日本標準時)に種子島宇宙センターから「こうのとり」3号機/H-IIBロケット3号機によって打ち上げられました。同年8月に初期機能確認を実施、同年10月より本格的な実験運用を実施しています。
JAXAの宇宙ロボット技術は、これまでもISS日本モジュールマニピュレータ(JEMRMS)や技術試験衛星VII型(ETS-VII)などにより、世界的に高い評価を得ています。
今後REX-Jでは、ロボットアームの特性を評価するために、MCE外部にロボットアームを伸展させる実験やロボットアーム先端のカメラで「きぼう」周辺の画像を取得するなど、今後の宇宙ミッションに応用可能な技術実験を実施する予定です。
本情報の詳細につきましては、次のインターネットアドレスでご覧頂けます。
【http://robotics.jaxa.jp/rexj/rexj_topics.html】