平成14年2月4日(月)にH-IIAロケット試験機2号機で打ち上げられた高速再突入実験機(DASH)の分離失敗の原因については、宇宙科学研究所において、システム設計に遡った分析、解析を実施してきました。
この分析、解析の結果について、本日開催した「高速再突入実験(DASH)調査特別委員会」に報告し、所内外の専門家による検討を経た結果、この分離失敗の原因は、メーカーの製造段階における製造図面の誤りによる実験機内信号伝達ケーブルの誤配線に伴う分離信号の不伝達であると特定されました。
従って、今回の分離失敗の原因はロケット側にはないとの結論を得ました。
なお、製造図面に関する検査は、メーカー内で完結し、部品の納入時における検査は、製造図面との照合によるため、この時点で誤配線を発見することはできませんでした。
また、宇宙科学研究所においては、いわゆるピギーバック衛星であったため、ロケット側との接点を極力少なくする構造とするとの判断の下で研究開発を行い、この構造に沿った試験を行ったため、この不具合を発見できなかったと考えておりますが、今後、このような失敗の再発防止に向けて、今回の試験方法の妥当性を含め、衛星の研究開発、試験体制について評価、点検し、その在り方を検討する予定です。このため、外部の専門家から成る「衛星研究開発タスクフォース(仮称)」を設置することとしております。