平成14年9月12日(木)14時30分に平成14年度第2次大気球実験の4号機であるBT5-21号機を三陸大気球観測所より放球しました。気球は毎分300m/分で正常に上昇し、放球2時間後に高度36kmに達し水平飛行状態に入り,観測を行った後18時14分に気球を破壊しました。観測器は19時20分に船越半島東40km海上(東経142°30′、北緯39°27′)に緩降下しました。
本実験は対流圏・成層圏の微量成分である二酸化窒素およびオゾンの高度分布の観測を目的として行われました。これらの成分が特定の波長領域の太陽紫外線で吸収されることを利用して、紫外線強度の変化から二酸化窒素およびオゾンの高度分布を得ることができます。
観測は気球が水平飛行を始めた直後にゴンドラの方位を太陽方向に制御し、その後観測器の上下角の追尾を行って、太陽を捕捉しながら上空日没の18時12分まで太陽紫外線のスペクトルを取得しました。
本観測器は今回の実験で初めて気球に搭載され、その性能が確認されました。今後小型・軽量化を行う事により、定常的な二酸化窒素およびその他の微量成分の観測に使用できることが期待されます。
放球時の地上の気象状況は、天候:曇り、気温:25℃,風速:0.2m/秒でした。
この実験をもって、平成14年度第2次大気球実験はすべて終了しました。
ご協力頂いた関係各位に深く感謝致します。