プレスリリース

宇宙科学研究所 このプレスリリースは宇宙科学研究所(ISAS)が発行しました

小惑星探査機「MUSES-C」の打上げの延期について


平成14年9月25日
宇宙科学研究所

1. MUSES-C(小惑星探査工学実験)の概要

  1. 目的
    小惑星「1998SF36」を対象として、小惑星探査工学実験を行うとともに、惑星間航行推進システム、航法学の研究。
  2. 打上げ
    1)時期 平成14年度
    2)ロケット M-Vロケット
  3. 衛星の概要
    1)軌道 太陽周回軌道
     遠日点 約1.4AU
     近日点 約1.0AU
      ※1AUは約14960万km
    2)重量 約530kg
    3)主な搭載機器 サンプル回収装置
    光学観測装置等

      

2. 探査機の打上げの延期について

  • 宇宙科学研究所の小惑星探査機「MUSES-C」については、本年度冬期(12月頃)の打上げを予定していたところ。
  • 打上前総合試験中に姿勢制御のための高圧ガス供給系に使われている気密保持のためのOリングが破断。他の箇所にもOリングが使用されていることから、万全を期すため関係部位の調査、検査を実施。
  • 調査、検査の結果、打上げに支障のないことを確認したが、打上げ準備作業が遅れたことにより、本年12月頃の打上げを断念。次の打上げ機会である来年5月へ延期。

3. 調査、検査の経緯

月日事項
平成14年
4月下旬
・調圧弁の漏洩判明、直ちに原因究明(Oリング破断が原因)
5月中旬 ・Oリング交換で漏洩対策完了
・破断とは関係ないものの、Oリング材質が規格と異なることが判明
万全を期すため、直ちに関係箇所の全面検査を決定
※打上げに影響を及ぼさない検査手法の早急な検討
6月中旬 ・ガスクロマトグラフィー揮発成分分析手法によって検査が可能なことを検証
6月中旬以降 ・打上げ前総合試験と並行して、同検査を実施
8月中旬 ・材質に支障のないことを確認、
8月中旬以降 ・姿勢制御系全体の信頼性再確認実施

4.科学衛星の年次計画への影響

・MUSES-Cの打上げを来年5月に延期することによって、LUNAR-Aの打上げを平成16年度 以降に延期

年度現行変更後
平成14年度 MUSES-C
平成15年度 LUNAR-A
ASTRO-F
MUSES-C
ASTRO-F

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