プレスリリース

航空宇宙技術研究所 このプレスリリースは航空宇宙技術研究所(NAL)が発行しました

成層圏滞空飛行試験の実施結果続報


平成15年8月8日
航空宇宙技術研究所
海洋科学技術センター

 独立行政法人航空宇宙技術研究所(NAL)及び海洋科学技術センター(JAMSTEC)は、去る平成15年8月4日に、茨城県日立実験場において、成層圏プラットフォームの研究開発の一環としての成層圏滞空飛行試験を下記の通り実施致しました。

(1) 放船時刻 : 午前3時21分
(2) 着水時刻 : 午前5時15分
(3) 回収時刻 : 午前6時19分
(4) 到達高度 : 約16.4km
(5) 着水地点 : 北緯36度24分、東経140度56分付近
(想定回収水域内)

 この度、回収された機体およびミッション機器を調査し、計測データについての解析を行いましたので、現時点での概要をご報告致します。

1. 本飛行試験の目的

  1. 無動力の飛行船を成層圏高度(目標:高度15km)に到達させること
  2. 地上から成層圏高度に到達するまで、及び上空で停留している間の飛行船体の構造に関するデータを取得すること
  3. 飛行船外部の大気の気温、気圧等の気象データを取得すること
  4. 高層大気中の温室効果ガスを採取・直接観測すること
  5. 成層圏高度に達した飛行船本体及び搭載機器を海上にて安全に回収すること

2. 計測データの解析結果概要

  1. 上記目的の1)、2)、3)について、飛行中に計測されたデータをもとに解析中
  2. 4)については、回収されたミッション機器を調査した結果、データが取得されていなかった事が判明。
  3. 5)については、両者とも無事に回収。(写真5)

3. 今後の予定

 今回取得できたデータをさらに詳細に解析し、来年3月以降に実施予定の定点滞空飛行試験に活用するとともに、将来の成層圏プラットフォームに係る要素技術の確立を目指します。
 ミッション機器の不具合については、NALとJAMSTECに外部の有識者も交えた合同の原因究明チームを設置し、原因究明を行う予定です。




成層圏滞空飛行試験の実施結果続報 資料1

写真1:格納庫からの搬出前
写真1:格納庫からの搬出前
写真2:放船時
放船体勢
放船体勢

放船
放船
写真3:成層圏滞空飛行試験機から撮影
写真3:成層圏滞空飛行試験機から撮影
写真4:滞空から降下までの流れ
滞空中(高度:16.4Km)
滞空中(高度:16.4Km)
上昇中ドラッグシュート切離し
上昇中ドラッグシュート切離し
降下用パラシュート放出
降下用パラシュート放出
火工品による船体切裂き
火工品による船体切裂き
降下中
降下中
降下用パラシュート開傘
降下用パラシュート開傘
写真5:機体・大気計測機器の回収
着水直前の試験機
着水直前の試験機
着水した試験機
着水した試験機
降下用パラシュート回収
降下用パラシュート回収
大気計測機器回収
大気計測機器回収
実験計測系パック回収
実験計測系パック回収
回収終了
回収終了

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