宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
日米共同ミッションである熱帯降雨観測衛星(TRMM)計画においては、
なお、今後は、残されたリソースを最大限に利用し、後期段階として可能な限り、これまでとほぼ同様の運用を継続する(現時点で平成15年末頃まで運用可能と推定)。
1. TRMM衛星軌道高度保持のためのマヌーバおよび太陽に照射される面を維持するための180度ヨーマヌーバを定期的に行いながら(前者は現在約4日毎、後者は2〜4週間毎)、衛星はミッションモード(サイエンスデータ収集モード)で連続運用されている。異常事態はこれまで5回発生しているが(表1)、そのうちの3回は衛星のハードウェアに起因するものではなく、パラメータの設定ミス等によるものであった。また、他の2回は、衛星テレメトリの問題であるがモニタ系の不具合であり、衛星機能に対する影響はなかった。どちらの場合も、衛星は正常復帰している。その他、CERES*深宇宙校正モード運用が2回(1998年1月および9月)、獅子座流星群の接近に伴う観測機器の電源オフ運用が3回(1998年11月、1999年11月、2000年11月)実施されている。 CERES:Clouds and the Earth's Radiation Energy System(雲及び地球放射エネルギー観測装置) 2. 降雨レーダ
定常運用時の降雨レーダ(PR)の機能・性能について、ハウスキーピングテレメトリデータの解析、内部・外部校正、低雑音増幅器の動作解析等を用いて評価した。その結果、PRは3年間非常に安定して稼働していたことが確認された。PRの性能についても送信系・受信系ともに正常に作動しており、経年変化もほとんど見られなかった。また、温度テレメトリの解析からは、PRは安定した温度環境で作動していたことが確認された。 3. 降雨レーダ以外のセンサー
CERESは、データ収集アセンブリの+15V電圧変換器に不具合が発生し、平成10年8月18日以後は短期間のキャンペーン観測以外は稼働しておらず、平成12年にも2月、4月に不具合が発生し、衛星が低負荷モードに移行した平成12年9月16日以後は稼働させていない。 |