プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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スペースシャトル「コロンビア号」の事故調査状況について

平成15年2月26日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1. CAIB/NASAによる事故調査状況報告

  1. 2月19日の宇宙開発委員会での報告以降、現時点で、コロンビア事故調査委員会(CAIB)及び米国航空宇宙局(NASA)より、事故原因が特定されたとの発表はされていない。
  2. 2月21日(日本時間)オキーフNASA長官はNASAステニス宇宙センターでの記者会見において、コロンビア号事故の原因が究明され、対処されるまでは次のシャトル打上げはない、と発言。また、あわせてNASAは安全に対して妥協することはないだろう、と語った。
  3. 2月26日早朝(日本時間)、CAIBが定例の記者会見を行った。
    (説明者:ハル・ゲーマン、ジョン・L・バリー、ジェームス・N・ハロック、スティーブン・ワレス)

    《CAIB記者会見要約》

    -先週末からの調査状況の説明

     ジョンソン宇宙センター、ケネディ宇宙センター、マーシャル宇宙飛行センター、ボーイング社パームデール/オービタ組立工場(カリフォルニア州)、サイアコール社(ユタ州)にて調査を継続中。

    -破片回収状況の説明
    • 耐熱タイルの小破片がテキサス州リトルフィールドの西方で発見された。落下場所はこれまでの破片発見地点よりもさらに西方であり、コロンビア号航路の更に上流側である。
    • 現在8,110個の破片が回収され、そのうち5,297個の破片については機体のどの部分かの識別が行われている。
    • 現時点でシャトル全体の約10%の破片が回収できたと考えられる。
    -交信途絶後のテレメトリーデータ(32秒間)の解析状況の説明
    • 最初の5秒のデータはオービタが正常に制御されていたことを示していた。
    • 最後の2秒においても補助動力装置(APU)は動作していたが油圧系の数値が「0」を示していた。
    • 間の25秒については引き続き調査継続中。
    -回収された耐熱タイルの写真が公開された。
    • 通常の再突入時の摩擦熱等により生じる変形とは異なっており、通常とは異なる外観を示している。
    • 識別番号も確認ができない状態であるが、タイルの形状(厚み等)からおおよそのタイル位置については特定できるとのこと。

2. 今後の予定

  • 2月26日(米国時間)、CAIBゲーマン委員長は上下両院主要議員への現状説明及び意見交換のためにワシントンDCを訪問。
  • 2月28日早朝(日本時間)米国議会において、コロンビア号事故が2004年度NASA予算に与える影響について公聴会が開催される予定。
  • 3月6日(米国時間)、第一回CAIB公聴会開催予定(テキサス州ヒューストン大学)
  • 毎週水曜早朝(日本時間)CAIBの記者会見がNASAジョンソン宇宙センターにて行われる予定。