本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
1. CAIB/NASAによる事故調査状況報告
- 2月26日の宇宙開発委員会での報告以降、現時点で、コロンビア事故調査委員会(CAIB)及び米国航空宇宙局(NASA)より、事故原因が特定されたとの発表はされていない。
- 3月5日早朝(日本時間)、CAIBが定例の記者会見を行った。
(説明者:ハル・ゲーマン委員長、ステファン・ターコット委員、スティーブン・ワレス委員、ロジャー・テトラウト委員 以上4名)
《CAIB記者会見要約》
- -先週末からの調査状況の説明
- ジョンソン宇宙センター、ケネディ宇宙センター、マーシャル宇宙飛行センター、ボーイング社パームデール/オービタ組立工場(カリフォルニア州)、サイアコール社(ユタ州)にて調査を継続中。
- -破片回収状況の説明
- ケネディ宇宙センターにおいて破片の調査を行っているが、現在22,563個の破片が回収され、そのうち16,063個の破片については機体のどの部分かの識別が行われた。現時点でシャトル全体の約13.7%の破片が回収できたと考えられる。
- -交信途絶後のテレメトリーデータ(32秒間)の解析は引き続き行われている。
- -回収されたコロンビア号のタイヤ(左右)の写真が公開された。(下図参照)
- 左側主脚のタイヤは右側のタイヤと比較すると著しく損傷している。また、右側主脚ドアと3つのコンポーネントが発見されたが、左側の主脚ドアはまだ発見されていない。
2. CAIB/NASAによる事故調査に関する情報公開について
2月26日から3月4日まで、コロンビア号事故調査に関する主な情報として下記3件がNASAおよびCAIBホームページにて公開された。
- 1月28日〜31日の間にNASA技術者とフライトコントローラー数人の間で取り交わされた左翼損傷に関するメールを公開した。(米国時間2003年2月26日付)
- コロンビア号空中分解前に船内で撮影された映像が公開された。なお、テレメトリデータに異常が発生し始める前で映像が途切れているため、事故原因究明の手がかりにはなっていない。 (米国時間2003年2月28日付)
- CAIBゲーマン委員長とNASAオキーフ長官への提案するレターが公開された。STS-107準備・運用に関与したシャトルプログラムの上級職員を調査のサポートからはずし、もとの業務に戻すようにゲーマン委員長からオキーフ長官へ提案する内容であり、本日のCAIB記者会見においてゲーマン委員長からオキーフ長官が提案に賛成している旨、紹介があった。
3. 今後の予定
- 3月6日(米国時間)、第一回CAIB公聴会開催予定(テキサス州ヒューストン大学)
- 今後は公聴会を週に2回の割合で開催する予定。場所はジョンソン宇宙センター、ケネディ宇宙センター、マーシャル宇宙飛行センターもしくはワシントンDCで行う。
- 毎週水曜早朝(日本時間)CAIBの記者会見が行われる予定。
回収されたコロンビア号のタイヤの写真
左側主脚の機体側タイヤ
右側主脚のタイヤ