本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
1. CAIBの事故調査活動
- 4月9日の宇宙開発委員会での報告以降、現時点で、コロンビア事故調査委員会(CAIB)及び米国航空宇宙局(NASA)より、事故原因が特定されたとの発表はされていない。
- 4月16日早朝(日本時間)、CAIBが定例の記者会見を行った。
- (ア)新たに判明したこととして以下の発表があった。
- 打上げ時の画像について再度詳細な解析を実施した結果、断熱材の衝突箇所については、今まで想定されていたシャトル左翼のRCCパネルNo.5、6、7付近よりも、No.7、8付近の可能性が高い。
- 回収したRCC部材やクローズアウトパネルを解析した結果、RCCパネルNo.8と9が接している縁部分において、熱による損傷が他の部分に比べて異常に大きい。
- 回収したデータレコーダから得られた情報として、RCCパネルNo.9の後部および、No.9と10の間にある2つの温度センサーのデータが大気圏突入後約500秒後に異常な高温を示し、直後に途絶えている。
- RCCパネルの老朽化について、他のシャトルの機体を調査した結果、RCCパネル表面のシリコンカーバイド層のピンホールが小さな亀裂にいたっている箇所が認められた。ピンホールの数は、飛行回数の多いシャトルに多いという傾向が認められる。
- (イ)衝突時に発生した事象を特定するために、画像、温度、回収した破片のデータを統合して、断熱材の衝突試験を実施する予定。
- (ウ)飛行2日目にシャトルから離れていった物体について、最も疑わしいとされていたクローズアウトパネルが地上で回収されたことから、可能性は低いと考えており、今後、可能性の残っているTシール(RCCパネル間をつなぐ部材)についてレーダ照射試験を実施する予定である。
- (エ)破片回収活動
現在行われている広範囲な破片捜索は、4月30日までに調査対象区の全てを完了し、作業を終了することをCAIBとして承認した。
2. CAIB公聴会
<今後の予定>
- 4月24日(米国時間)にテキサス州クリアレイク地区ヒルトンホテルにおいて、第五回CAIB公聴会(第1部、第2部)が開催される予定。
- 5月6日(米国時間)同ホテルにおいて、第六回CAIB公聴会が開催される予定。
3. NASAの事故調査活動
NASAは、4月15日(米国時間)下記情報を公開した。
- テキサス州東部の捜索はまもなく終了し、州西部の捜索に移行する予定。現在、水中の捜索は98%、地上での捜索は78%、空からの捜索は80%が完了している。
- これまで7万点以上かつコロンビア号機体重量の36%にあたる破片がケネディ宇宙センターへ運ばれている。
- テキサス州ラフキンに設置されている破片回収作業のフィールドセンターは5月初旬に撤収され、ジョンソン宇宙センター内に設置される予定のコロンビア号破片回収事務所(Columbia Recovery Office)に指揮系統を移行する。
RCCパネルおよびクローズアウトパネルの位置