本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
1. CAIBの事故調査活動
- 5月28日(日本時間)の宇宙開発委員会での報告以降、現時点で、コロンビア事故調査委員会(CAIB)及び米国航空宇宙局(NASA)より、事故原因が特定されたとの発表はされていない。現在CAIBは、5月7日のCAIB記者会見にて発表された打上げ時から事故発生に至るまでのシナリオを裏付けるための試験・解析作業を行っている。
- 5月29日(日本時間)にヒューストンにて定例記者会見が行われた。
断熱材衝突試験用装置および供試体
2. CAIB公開情報
CAIBは5月29日(米国時間)、スペースシャトル翼前縁部の断熱材衝突試験結果の速報をプレスリリースにて公開した。
- シャトル・エンタープライズ号(モックアップ)のファイバーグラス製の翼前縁部を用いた断熱材衝突試験を行ったところ、以下の結果が得られた。
- ファイバーグラス製パネル#6の下側に断熱材を衝突させたところ、パネル#6と#7との間のTシールが持ち上がり、パネル#7側へ移動した。
- これにより、長さ22インチ(約56cm)にわたりパネル#6とTシールの間に隙間が生じた。
- 隙間の幅は、最大0.25インチ(約0.6cm)である。
- この結果は、衝突解析の予想範囲内である。
- 断熱材の詳細は以下の通りである。
- 重さ:1.67ポンド(約756グラム)
- 衝突速度:779フィート/秒(約234メートル/秒)
- 体積:1200立方インチ(約19リットル)
- 衝突入射角:20度
- CAIBは最終的な結論には至っておらず、シャトルおよび宇宙飛行士の損失の原因を特定していない。CAIBの最終報告は今年の夏の後半に発行する予定。
RCCパネルおよびクローズアウトパネルの位置
外部燃料タンク・バイポッド部の位置