プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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スペースシャトル「コロンビア号」の事故調査状況について

平成15年6月11日

宇宙航空研究開発機構

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1. CAIB公開情報

 CAIBは6月6日(米国時間)、スペースシャトル左翼前縁部RCCパネル (ディスカバリー号で30回飛行したもの) への断熱材衝突試験結果の速報をプレスリリースにて公開した。

概要

 テキサス州サウスウェスト研究所の大型圧縮ガス銃を用いてオービタ左翼前縁部RCCパネルへの断熱材衝突試験を実施した。

試験条件

  • 断熱材の諸元
     重さ:1.68ポンド(約762グラム)
     寸法:21 3/8インチ×11 9/16インチ×5 5/8インチ(約53.4cm×約28.9cm×約14.0cm)
     体積:1390立方インチ(約22リットル)
  • 衝突速度:768フィート/秒(約234メートル/秒)
  • 衝突入射角:20度

試験結果

 RCCパネル#6と、RCCパネル#6, #7間のTシールに目視で確認できる以下の損傷が発生した。

  • RCCパネル#6に外側から翼内部のRCCリブへ延びる長さ3インチ(約7.6cm)の亀裂が生じた。
  • RCCパネル#6, #7の間のTシールに同様の亀裂が生じた。
  • RCCパネル#6と同パネルに接するTシールの間にずれが生じた。また、翼上側のキャリアパネルの一部に欠けが生じた。

CAIBは最終的な結論には至っておらず、シャトルおよび宇宙飛行士の損失の原因を特定していない。


断熱材衝突結果


RCCパネルに外側から翼内部のRCCリブへ延びる亀裂の様子

断熱材衝突試験用装置および供試体


断熱材衝突試験用装置


上:断熱材衝突試験用供試体の組立作業
下:組み立てられた供試体
(上、下とも供試体はファイバーグラス製)

RCCパネルおよびクローズアウトパネルの位置