宇宙開発事業団
農林水産技術会議事務局筑波事務所
独立行政法人 森林総合研究所
宇宙開発事業団(NASDA)及び農林水産技術会議事務局筑波事務所(MAFFIN)は、「森林火災モニタ試作システム」をインターネットで公開することといたしました。このシステムは、平成13から14年度にかけて両者の共同研究協力協定において作成してきたものです。
本試作システムは、東南アジアの森林火災の多発地帯であるタイ周辺地域をターゲットとして、NOAA、JERS-1(ふよう1号)等の複数の衛星データから得られた森林火災に関する情報(火災危険度、火災位置情報等)を地図上に重ね合わせて表示するもので、それによって火災の状況監視を行うことが有効であるかを評価することが試作の目的です。
これまで、森林総合研究所が独自に開発を実施してきた衛星データによる森林火災を集中観測するためのシステムを公表してきましたが、今回はこれをもとに森林総合研究所による新たな火災危険度データを用いてMAFFINがデータベース整備を行い、NASDAがインターネットと地理情報システム(GIS)の「標準化技術」を採用してシステム化を行いました。これにより、関連するそれぞれの火災情報と地理情報(海岸線、国境、道路、河川等)を一つの地図上にリアルタイムに重ね合わせ、火災の状況把握を行うことができるようになりました。タイのような火災発生から鎮火まで迅速な状況把握が必要な地域における情報提供に非常に有効であるとともに、標準化技術を用いているため、将来他の様々なデータや地域を対象として拡張することが可能です。
どなたでも、下記ホームページから複数の衛星データによるタイ地域周辺の火災情報と地理情報を同じ地図上に重ね合わせて表示し、また重ね合わせた画像を無償で取得することができます。現在2002年3月分までのデータが利用可能ですが、今後順次新しいデータを追加する予定です。さらに、現在運用中のADEOS-II等のデータについても本システムへの導入や、森林火災だけではなく洪水や干ばつ監視等の他の環境・災害分野への応用、さらには標準化技術を用いているので他の関連する機関との協力についても検討していく予定です。
森林火災モニタ試作システム
http://fire.hq.nasda.go.jp/fms/index.php
今回構築した森林火災モニタ試作システム及びホームページの概要について、簡単に説明します。
衛星(センサ) | データ |
---|---|
NOAA(AVHRR) | 火災危険度、火災位置情報 |
DMSP(OLS) | 火災位置情報 |
JERS-1(SAR) | タイ地域周辺モザイクデータ(地表概況の把握) |
![]() |
注)火災位置情報スポッデータについては、校正及び専門家の知識による検証が必要です。 |