プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

プリント

環境観測技術衛星「みどりII」(ADEOS-II)搭載
グローバルイメージャ(GLI)の初画像取得について

平成15年1月27日

宇宙開発事業団

宇宙開発事業団は、平成14年12月14日に打ち上げた環境観測技術衛星「みどりII」搭載のグローバルイメージャ(GLI:Global Imager)について、初期機能確認試験の一環として初画像を取得しましたのでお知らせします。

下の写真は、25日11時30分(日本時間)頃の九州と東シナ海の様子(図-1)、同日9時45分頃に北海道東方沖の低気圧の渦(図-2)を地球観測センター(埼玉県鳩山町)で受信した画像です。

GLIは、宇宙開発事業団が開発した光学センサで、紫外から赤外域の36の観測波長チャンネルで地球表面からの光を観測する世界最高水準の性能を有する観測装置です。海面水温、雪氷、雲、エアロゾル、植生、海洋の植物プランクトンなどの分布を高精度かつ地球規模で観測します。

今後、GLIの観測データを蓄積することにより、地球規模の大気・海洋・陸域・雪氷圏の長期的な変動のメカニズムの解明に貢献することが期待されています。



図-1 「GLIが観測した九州と東シナ海」


宇宙開発事業団(NASDA)が開発した環境観測技術衛星「みどりII」搭載のグローバルイメージャ(GLI)による画像。図-1は2003年1月25日の昼間(11時30分頃)に取得されたデータによる合成画像。250メートル解像度の観測波長チャンネル28(波長1640ナノメートル)、23(825ナノメートル)、22(660ナノメートル)を使用している。大陸から東シナ海にかけて雲が広がっている。白い部分は低層の暖かい雲を、青い部分は高層の氷雲を示している。雲の間から、九州および台湾北部が見える。
グローバルイメージャは紫外から赤外域にかけて36の観測波長チャンネルを持ち、大気・海洋・陸域・雪氷圏の様子や変化を高精度かつ全地球規模で観測することができる。
(単位の解説:ナノメートル = 10-9m)

図-2 「GLIが捉えた冬の低気圧の渦」


図-2は2003年1月25日の朝(9時45分頃)にグローバルイメージャ(GLI)によって取得されたデータによる合成画像。1キロメートル解像度の観測波長チャンネル13(波長678ナノメートル)、8(545ナノメートル)、5(460ナノメートル)を使用している。北海道の東海上に中心を持つ猛烈に発達した低気圧に伴う厚い雲が広く関東沖まで分布している様子がわかる。この低気圧が三陸沖を通過した1月23日から24日にかけては全国的に季節風が強まり、東日本から北日本にかけて大荒れとなった。GLIの多数の波長帯を使って雲の種類や詳細な構造を明らかにすることができる。