プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

プリント

環境観測技術衛星「みどりII」(ADEOS-II)の
高性能マイクロ波放射計(AMSR)の初画像取得について

平成15年1月20日

宇宙開発事業団

 宇宙開発事業団は、平成14年12月14日に打ち上げた環境観測技術衛星「みどりII」について、現在、初期機能確認試験を実施しています。この試験の一環として、地球観測センター(埼玉県比企郡鳩山町)において、「みどりII」搭載の高性能マイクロ波放射計(AMSR:Advanced Microwave Scanning Radiometer)による画像を取得しました。
 発表の画像は、1月18日午前11時頃と同日午後20時半頃(日本時間)に日本付近を観測したものです。AMSRはマイクロ波による観測のため観測域が雲に覆われたり、観測時刻が夜間の場合であっても流氷の動きを鮮明に捉えることが出来ています。
 今後、「みどりII」は初期機能確認試験を継続するとともに他センサの画像を順次取得していく予定です。

AMSRが捉えた日本列島

●擬似カラー合成画像

AMSRが捉えた日本列島

●画像の説明

宇宙開発事業団(NASDA)が開発した、環境観測技術衛星ADEOS-II「みどりII」搭載の高性能マイクロ波放射計(AMSR)による擬似カラー合成画像。36.5GHz水平偏波、89.0GHz垂直・水平偏波を使用している。2003年1月18日午前11時頃(日本時間)の観測画像である。本州以南の海域における薄い青色部分は水を多く含んだ雲に、オホーツク海に見られる薄い青色〜白色の部分は流氷に、それぞれ対応する。

AMSRで観測されたオホーツク海の流氷分布

●擬似カラー合成画像

AMSRで観測されたオホーツク海の流氷分布 AMSRで観測されたオホーツク海の流氷分布 海氷密接度

●画像の説明

宇宙開発事業団(NASDA)が開発した、環境観測技術衛星「みどりII」(ADEOS-II)搭載の高性能マイクロ波放射計(AMSR)によるオホーツク海の流氷(海氷)画像。左図は2003年1月18日の夜間(20時半頃)に取得されたデータによる擬似カラー合成画像。36.5GHz水平偏波、89.0GHz垂直・水平偏波を用いている。オホーツク海に見られる薄い青色〜白色の部分は流氷に、薄い青色は新しくできた氷にほぼ対応している。また、太平洋における薄い青色部分は水を多く含んだ雲に対応する。マイクロ波観測は昼夜に関係なく、かつ雲の影響を受けにくいという利点を持っており、流氷をくっきりと捉えることができている。右図は、同データから求めた海氷密接度であり、濃い青色が海氷のない海水面で、白くなるほど海氷に覆われていることを示す。図中の矢印は同日午前11時頃(約10時間前)に観測されたAMSRデータと比較して求めた海氷の動きを表している。海氷がオホーツク海北部から南下している様子と、知床半島に接岸していることがわかる。例年に比べると、今年は海氷の南下が早く、網走では1月11日に流氷初日を迎えた。