プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

プリント

新機関における施設・設備の整備等について

平成15年6月18日

宇宙科学研究所
航空宇宙技術研究所
宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

施設・設備の整備等に係る基本的な考え方

  • 自律的な宇宙開発利用活動ができる技術力を維持し、新機関におけるロケットの打上げ、衛星の追跡管制等、事業の確実な実施のためには、基盤となる施設・設備計画的な整備安定的な運用を行うことが基本。
  • 施設・設備における不具合などのトラブルはロケットや衛星等の開発・打上げに重大な支障を来すために、重点的に整備を実施するべき事項。
  • そのため、限られたリソースの中で以下の事項を重点的に推進。
  • 》長期的な開発・運用計画および利用動向の反映
    》老朽化施設・設備に対する計画的な対策の実施
  • 利用機関や産業界との連携推進に向けた設備共用の促進
宇宙3機関の機能、資源を再編成し、効率的、効果的に進める組織・体制の構築に向けた活動を実施中



新機関発足に向け、宇宙3機関で統合に係る各種の検討・準備作業を合同で実施中。

3機関が保有する主な施設・設備の所在

(1)射場関連施設・設備 種子島宇宙センター(NASDA)、鹿児島宇宙空間観測所(ISAS)
(2)エンジン関連試験施設・設備 角田ロケット開発センター(NASDA)、能代ロケット実験場(ISAS)、
角田宇宙推進技術研究所(NAL)、種子島宇宙センター(NASDA)
(3)衛星試験施設・設備 筑波宇宙センター(NASDA)、相模原キャンパス(ISAS)
(4)追跡管制施設・設備 筑波宇宙センター (NASDA) 、地球観測センター (NASDA) 、
勝浦宇宙通信所(NASDA) 、増田宇宙通信所 (NASDA) 、
沖縄宇宙通信所(NASDA) 、鹿児島宇宙空間観測所(ISAS)、
臼田宇宙空間観測所(ISAS)  等
(5)研究関連施設・設備 筑波宇宙センター(NASDA)、相模原キャンパス(ISAS)、
航空宇宙技術研究所本所(NAL)  等

実施項目の具体例

  • 老朽化が進行する施設・設備への対策

    確実な事業実施に必要となる施設・設備の安定運用を実施・継続していくために、組織・体制の一元化を図り、より効果的かつ適切な老朽化対策を実施する。

  • 施設および設備の共用

    新産業の創出、産業競争力の強化、宇宙利用の拡大を目指し、大型環境試験設備、風洞試験施設設備等について、利用者へのサービス機能を強化する。

  • 衛星追跡管制等の整備・運用

    衛星追跡管制等を一元的体制で実施することとして、施設設備を計画的に整備し、効率的に運用する。

  • 打上げ射場等の整備・運用

    打上げを着実に実施するため関連設備の整備から維持までを一元的体制で実施することとして、射場を計画的に整備し、効率的に運用する。



参考資料

老朽化が進行する施設・設備への対策

施設および設備の共用

検討状況

 政府の方針(※)及び産業界から寄せられた提案等の社会的要請をふまえ、施設及び設備の外部利用者への共用促進方策を、3機関からなるWGにて検討。

※ 『大型試験施設・設備の供用の推進』
   「我が国の宇宙開発利用の目標と方向性」 (平成14年6月 宇宙開発委員会)
  『民間では整備できない大型試験施設・設備の共用推進』
   「宇宙3機関統合後の新機関の在り方について」 (平成14年3月 宇宙3機関統合準備会議)


プロジェクト等の着実な計画遂行と外部への共用を両立させるため、効率的な運用や利便性の向上等の施策を検討。

打上げ射場の整備・運用の取り組み

  • 基本方針

    我が国の自律的な宇宙開発利用活動の展開、今後の多様な打上げ計画への対応のため、必要な施設・設備の整備・運用を推進するとともに、安定的運用と持続的向上を図る。

  • 統合に伴う効率化

    適切な初期投資により、内之浦/種子島の地上局の一部に相互運用機能をもたせ、次の効果を創出。
     -打上げ時のデータ欠落の改善
     -H-IIA打上能力損失の改善

追跡管制設備の整備・運用の取り組み

  • 基本方針

    ISAS、NASDAが保有する日本及び海外の追跡局を一つのネットワークとして整備し、深宇宙探査機、静止軌道衛星、地球観測など中高度軌道衛星といった各種・多様な衛星の効率的な運用を可能とすることをめざす。

  • 統合に伴う効率化

    科学衛星、研究開発衛星の追跡管制、追跡局整備・運用を一元的体制で行い、効率化を実現。
    一元体制による運用により、追跡アンテナの整理合理化をめざす。


衛星追跡管制等の整備・運用

試験施設・設備の整備運用の取り組み

  • 基本的な考え方
    1. 新機関が行う研究および開発に必要となる試験施設・設備を着実に整備。
    2. 民間で整備困難な大型試験施設は今後も維持するとともに、民間要望を踏まえて、情報提供、施設改修など民間が使いやすくし、新機関及び産業界等の共用を促進。また、宇宙科学本部にある、大学共同利用のための設備も着実に整備を実施。
  • 統合による効率化

     3機関が保有する試験施設・設備のうち、上記に該当しない施設・設備は整理し、合理化。